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追跡

 少し時を遡る。林田未結が大手私鉄の駅で、青島孝と関森由紀に撒かれそうになった時、林田未結だけは、強化人間の真価を発揮して、撒かれずに追跡を続けたが、他の者達は、駅に取り残された。

 

 桐生明は、すぐに残った者達に指示を出した。それは、関森義行と関森清美を拘束し、青島孝と関森由紀の行先を掴む事であった。

 関森義行と関森清美は、青島孝から、しばらく身を隠すように言われていたが、行先をどうするか。持って行く物を何にするか等に手間取って、家を出るのが遅くなり、桐生明が指揮する者達に捕まってしまった。囚われた関森義行と関森清美は、あっさりと青島孝と関森由紀の行先を話してしまった。桐生明達は、聞き出す脅しにかけても、プロであった。


 関森義行と関森清美は、目隠しをされて、どこかわからない、山荘に連れ込まれ、幽閉された。その山荘には、桐生明が選んだメンバー四人が見張りのため残り、他は林田未結と合流した。


 

 島に着いた林田未結達は、最初に関森誠の自宅に行ったが、不在だった。深夜になっても、誰も帰宅しないので、一人を見張りに残して、翌日から本格的に捜索を開始した。


 林田未結はもしかしたら、島から出たかもしれないと思ったが、その可能性はない事が、島の人達への聞き込みから、わかった。


 島の人達は、ほとんどが、知らないの一点張りだったが、金を掴ませると、情報を提供する者もいた。その情報によると、時々、関森早紀が買物をしている姿をみかけるというものだ。


 林田未結達は、関森誠も早紀そして亜魅の顔を知らなかったので、写真を提供してくれる人も探し出した。もちろん、それなりの出費はかかった。


 林田未結達は三方に別れて探し出す事にした。関森誠の自宅付近、海岸そして山中だ。林田未結は一人で山中を行く事にした。一人で行くのは、他の者が一緒だと足手まといになるからだった。林田未結についていける者は誰もいない。


 林田未結は山に入って行った。軽装のままだ。山をランニングしている。息は切らさず、もう二時間は走り続けている。時折止まっては、聞耳をたて、匂いを嗅ぐ。人間離れした聴覚と嗅覚とで、探っていく。


(必ずいる)

そう心で呟いては、また走り出した。



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