表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/23

 その島の平野はわずかにすぎない。海岸線から少し行くとその先は森だ。中心部は二千m級の山が三山連なっている。亜熱帯に属しているが、山頂では亜寒帯である、様々な自然を見せてくれる。



 青島孝と関森由紀は森の中を第三の石を求めて、さまよっていた。すべては、関森由紀の特殊な能力にかかっている。わずかに伝わってくる、石からの波動を関森由紀は受信していた。しかし、その波動は弱くて、中々方角が定まらない。離れ過ぎているのだ。

 青島孝は起点を決めて、いろんな方角に行くように諭し、目印を残しながら、行くようにした。もちろん、段々波動が強くなる方角が石のある方向だ。



 徐々に波動が強くなるのを感じる。関森由紀は鳥肌がたってきた。もうすぐ第三の石と対面できる。期待で胸が弾む。



「シュッ」

乾いた音とともに矢が青島孝の右耳のそばをかすめていった。

 若い女性らしき声が響きわたる。

「動くなっ!動いたら、今度は必ず射抜くよ」

 青島孝と関森由紀はその場に釘付けとなった。

 木立ちの間の先に一人、弓を引き、こちらに矢尻を向け、佇んでいるのが、見える。歳の頃は、十六か十七位であろう。


 関森由紀は声の主の心を読み、青島孝に囁いた。

「本気では言ってない。だけど、いつ気持ちが変わるかは、わからない」

「そうか」

 そう言うと、青島孝は、一歩前に進んだ。

「動くなと言ったのが、聞こえないのか?今度動いたら、必ず射るぞ」

 「今度は、本気みたい。動かないで」

と、関森由紀が止めた。

「どこを狙っているか、分かるか?」

と、青島孝が尋ねる。

「致命傷を与える事がないように考えている。四肢のどれかね」

青島孝は頷くと更に、半歩前進した。


 風を切り、矢が飛んで来て、青島孝の右肩に突き刺さった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ