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第一話その7「エンディックという脇役の正体は」

(ライピッツ会場)


 黄金騎士は一言、二言の優勝の挨拶をした後、すぐ賞金の詰まった袋を受け取り、颯爽とどこかへ走り去ってしまった。



 そのまま町外れの廃家の敷地にたどり着くと、黄金騎士は乗っている金獣からよろけてズリ落ちる。


 背中から地面に叩きつけられた彼は、酷く疲れた様子でそのまま寝ていた。



「ちくしょ……最近調子悪いな、俺。形態を保つのが難しくなってきてやがる。

 やはり俺じゃ『この力』を使い熟せないのか……」



 騎士が悪態をつくと、金のプロングホーンに変化が起きた。ボロボロと色が剥がれて、鈍い鉄色になったのだ。その足元には多くの砂や石が散乱している。


 色だけではない。体も崩れていき、細かい形の金属と鉄板の山を作っていく。


「はは、それにしてもアイツら驚いてたなぁ。誰も俺に追いつけるわけねーのに」


 彼が体を起こすと、『鎧だった』鉄板や砂や石ころが外れてゆく。最後に本物の兜を脱ぎ、素顔を曝した。



 墓地での会話を思い出す。探し物は見つからなかったが、まさか怨敵が近くに居るとは。


 案外、奴を倒すことが出来れば、彼女の悩みは消えるかもしれない。


「いや……駄目だ。アイツが許されたと感じられるのは、あの人だけだ」


 だが、もしあの悪魔が彼女を狙っているのだとしたら、迎え撃つ所存である。己が先に倒す!

 自分はその為に強くなったのだから。その為の黄金なのだから。



「黄金騎士は……俺が必ず倒す! 絶対にあの悪魔だけは! 父さんと、母さんの作品で!」



 金髪の少年は鉄板を賞金とは別の袋に入れて、決意を胸に廃家を出た。


 彼の名はエンディック。『今の』人々が黄金騎士と呼ぶ、勇者の打倒を目指す者である。





(勇者ギデオーズ=ゴールの手記より)


 魔力世界『シュディアー』とは、環境管理装置『龍』によって支配された理想郷である。 


我々の世界に『機力メナ』が有るように、シュディアーには魔力マナという不思議なエネルギーが存在する。

 御伽話に出てくるような魔法の力で、代わりに機械技術は進歩していない。



 ある日、私の部隊が降り立った国『スレイプーン』の王が依頼をしてきた。

 なんと龍から国民を守って欲しいというのだ。あの龍は世界の人口が一定数を超えると、五年一度に人減らしの名目で人々を襲っているという。なんでも、理想郷を保つ為とか。


 今までの王はこれを黙認してきたらしいのだが、現王は違った。国民が殺されるのを許せないという。だがシュディアーの人間は、龍を傷付けることが出来ない。


 この問題には『勇者鎧』を用いることにした。


 王家の地下に封印された七つの秘宝を研究し、我々の技術で修復かつ改良した鎧。魔力と機力の両方の力を運用可能な最強兵器だ。


 我々の機力世界『マシニクル』とシュディアーの友好の為、何より人々の命を守る為、龍に立ち向かい、これを撃破した。


 しかしその後、勇者鎧の悪魔と契約した者達だけが、元の世界に帰れなくなった。国王は原因を突き止めるまで、ここに居ていいと言ってくれた。




 そして全員毒を盛られて死んでしまった。


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