第七章 燃える影
夜皆は食堂に布団を持ってきた。
「これで怖くないな!」
「いやそんなことはない寝ているところを襲われるかもしれない」
英雄がそう言うと皆の顔は暗くなる。
海助がこう提案した。
「みんなで見張りをすればいいんですよ!一時間ごとに人が変わるっていう感じで!」
みんなが納得した。そして最初の見張りは海助になった。
「最初ですか、嫌なんですど」
「頑張れ」
皆が頑張れと言ってから電気を消し布団に入った。
僕はなかなか寝れなかった、犯人のことが気になって。
深夜
僕は寝て起きてを繰り返していた。
すると誰かが歩いている音が聞こえた。
暗くてよく見えない、その人物は食堂を出ていった。
僕は気になり食堂を出た。
見張りの人だろうな、トイレなのかもしれない。
見張りの人を探しに行っていると館の中に、焦げたような匂いが漂い始めた。
「火事……?」
僕は急いで匂いのする方に走った。
廊下の突き当たり、昔の火事の発火元の暖炉のある部屋の前で足が止まる。
扉の隙間から赤い光が漏れていた。
「閉まってるはずじゃ!」
僕は扉を押した。
扉は開き中に入ると、ミステリーサークルの城ヶ崎航がひとり、暖炉の前に立っていた。
炎に照らされた顔は、どこか嬉しそうだった
「これで……終わり……」
すると轟音とともにシャンデリアが落ちた瞬間、城ヶ崎航の体は炎に飲み込まれた。
火花が舞い、油の匂いが鼻を突く。
床に広がった炎が一気に燃え上がり、赤い光が壁を、天井を、僕の顔を照らし出す。
彼は苦痛に歪んでいなかった。
むしろ、満足そうに笑っていた。
まるで、自分が望んでこの罠にかかったかのように。
そのとき、壁一面に巨大な影が踊った。
炎に照らされて現れたその姿は、紅影──館の伝説の怪人そのものだった。
影は長い手足をゆっくりと広げ、まるで俺たちに別れを告げるかのように
ひときわ大きく揺れた。
「下がって!」
プシューー
勝也はそう言うと炎に向かって、消火器を使った。
次々と人が集まり、皆消化器を持ち炎に向かって発射した。
火は収まったが航は助からなかった。
「自殺か?」
「そうでしょう。最後の一人とは自分のことだったんですね。」
皆は碧華の言葉に納得し現場から去って行った。
「俺達も行こうよ。」
本当にそうなのか、でも今までのこと全て納得できる。
「そうだな」
皆は笑っているもう殺される心配がないからだろう。
「昨日夜中に食堂を出た人知ってる?」
僕は蘭丸に行った。
「多分勝也さんだと思うよ。俺たちが大きな音に起きたときに勝也さんだけいなかった。」
確かに勝也さんは一番早く現場に到着してたな。
僕は航が亡くなった場所に戻った。
それにしても手際が良すぎる。
一人の殺人で一番怪しい人が次に殺される、犯人の作戦かもしれないが、次疑われる人なんてその時になってみないと分からない。
あらかじめ決めてあったのなら別だが、どうやってそんな事できる。
「こんなとこにいたのかよ!」
「蘭丸!」
蘭丸は死体を見て吐きそうになった。
「よく見れるよな……こんなの……それにしてもこんな……でっかいシャンデリアどうやって落としたんだろうな。」
何か仕掛けがあったんだろうが、どうやって巨大シャンデリアに付けただろう。
一人でもできるにはできるがかなり大変だ。
即席で作るのは不可能だ前もって準備してた……いやもっと前か?
僕たちは食堂に戻った。
「蘭丸さん、朔之介さん警察と連絡が取れましたよ!昼頃迎えに来てくれるそうです!」
嬉しそうに勝也が報告してきた。
「蘭丸くん私の方舟知らない?」
碧華は食堂で荷物を詰めている。
「すみません僕が、持ってます」
「あげるよそれ、私3冊持ってるから」
「うぉーホントですかありがとうございます!!」
蘭丸は僕の近くに来て本を揺らしながらヘラヘラこっちを見ている。
食堂はさっきの出来事が嘘のように明るくなっていた。
「英雄さん!」
廊下で英雄と遭遇した。
「すまないね、朔之介君君に強く当たりすぎたよ」
英雄は優しい笑顔で言った。
「こちらこそすみません」
「なんで謝るんだい?はあー気持ちいいなーあんな気味の悪いミステリーサークルがいなくなって」
なんてこと言うんだこの人は、でも思い返せば初日の夜から変だった。
ミステリー部の連中は、時折視線を交わしては、何かを確かめるように頷いていた。
さらに、死体が見つかるたびミステリーサークルの誰も取り乱さなかった。
「おかしい……」
僕は口の中で呟いた。
これはただの連続殺人じゃない。
もっと大きな、歪んだ“物語”の一部なのかもしれない。
「何考えてるか知らないけどもう終わったんだから、高校生でしょ君等休みなさい。」
「朔之介荷物まとめてだって」
「わかった」
僕はリュックに服などを詰めた。
荷物まとめはこれで終わり推理の続きをしよう
ドンドン
このでかい音
「蘭丸だな」
「助けて入らない」
「キャリーケース2個にリュック2個あるのにか?」
「僕は真面目に推理してるんだ」
「推理?なんの?もう終わっただろ」
皆口を揃えて言う終わったと、でも僕はそう思わない。
「荷物入れてやるからマスターキー借りてきて」
「何するんだ?」
「亡くなった人たちの荷物まとめなきゃだろ」
蘭丸はちょっと嫌そうな顔をしたが頷きマスターキーをもらいに行った。
荷物をまとめるのも大事だが、僕は何か事件に関係しているものがないか探しに行くためだ。
「ねぇねぇ思い出したよ朔之介くん」
後ろからニヤニヤしながら碧華が言った。
「君、あの天国ビルの事件解決した子だよね」
僕は驚いた確かにあの事件を解決したけど、僕が解いたとは世間に発表されてないはず。
「なんで?」
「天国ビルのことが気になって色んなサイト探してて見つけたんだ!確か如月ニュースとかなんとか」
天国ビルパーティーにいたぞ!あの秘書!なんてことしてくれるんだ!
「てか何でそんな事今更」
「君等が何でここに来たか気になってね。私が考えるに貴方はこの事件の探偵役として呼ばれたんだよ。」
考えてなかったが多分重要だ、僕が呼ばれた理由はそれだな。多分
「そう君は明智五郎、金田一耕助だ!」
その二人でもいいがそこはシャーロック・ホームズが良かった。
そんな事はどうでもいい蘭丸はまだか?
「持ってきたぞ」
「いいとこー!!」
僕は亡くなった人たちの部屋を回った。
「全然ない、次は最初に亡くなった二色蓮の部屋」
そこには色んな機械があった。
「カメラか?修理中だったみたいだけどあっこれ」
僕は蓮が最後にかけていたカメラを見つけた。
「少しぐらい、いいだろ」
僕はカメラの写真を見た。
そこにはミステリーサークルが仲良く遊んでいる写真が沢山あった。
川や山、海色んなところに行っていたみたいだ。
そこには楽しそうに笑っている航の姿もあった。
「……これは……大事かもな」
「次は航の部屋」
部屋の中に入ったが特に変な所はなかった。
あんな狂気的なことを行った犯人の部屋とは思えないな。
「……ん?なんだ」
僕はそれを手に取った。
「!これは……」
そういう事だったのか、今までの事件全てわかった。
「この物語を終わらせよう。」




