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死期予見  作者: 本郷真人
第八章
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(2)

 午後4時。

 蔵岡署でそれまで空き部屋となっていた第五会議室では、特別チームが昨日と本日の捜査報告会を行っていた。

「では、昨日と本日の捜査結果の報告をお願いします。まず、佐々木警部補と菅原刑事から。」

 木下警部の指示を受けた佐々木警部補は報告を始めた。

「はい。まず、私と菅原刑事は当時捜査を担当した蔵岡署の刑事達に聞き取り調査を行ったのですが、渡された報告書以上の事は聞けませんでした。また、彼らはあまり私たち二人を良く思っていないようでして、捜査に協力的であるとは言い難く思えました。」

「まあ、解決した事件の再捜査を行うとなると、その事件を担当した刑事達からはあまりいい顔はされないでしょう。」

 木下警部は佐々木警部補の発言に納得して頷いた。

「そのため、私たちは彼らとこれ以上接触しても何の成果も得られないと判断し、その後は宮本刑事と山口刑事の捜査に加わり、事件の被害者遺族などといった関係者や現場近くの近隣住民への聞き込みを行いました。現在はあまり優良な情報を得ることができていませんが。何らかの手がかりが得られるかも知れないので、翌日も同じ捜査を行う予定です。渡部巡査部長の自宅で発見された、今井佳枝の親族にアポイントを既に取っています。」

「了解しました。ありがとうございます。続いて、宮本刑事と山口刑事、捜査報告をお願いします。」

「はい。」

 捜査報告を始めたのは、宮本刑事だった。

「我々は、事件現場の近隣住民に当時のことを聞くことから始めました。五件の連続殺人事件の現場周辺で聞き込みを行ったのでが、どの事件でも有力な情報を得ることはできませんでした。花村は相当慎重に事を進めたのでしょう。報告書にあったように、事件の目撃者が皆無であるというのは、疑いようも無い事実でした。」

「そうですか。」

 宮本刑事の発言を聞いた木下警部はうなだれた。

「最後に玉橋刑事、花村から標的にされていた可能性がある人物、遠藤明さんについての報告をお願いします。本人と直接、話をしたとのことですが。」

「遠藤さんは本当に花村のぼるを知らなかったようでした。それに、花村の自宅から押収された彼女の写真は全て盗撮されたものでした。つまり、花村は無作為に標的を選んでいたのでは無いかと思います。また、遠藤さんは自分のところに訪れた捜査官を覚えてないようでした。なにせ二年も前の事ですし、覚えていなくても当然かと思います。花村のぼる指名手配時に彼女のもとを訪れた警察官は、もしかしたら手がかりになるかも知れないので、今後、蔵岡署で聞き込みをしようと思います。」

「なるほど。では、引き続きお願いします。それと先ほどありました今井佳枝の親族への訪問は宮本刑事と山口刑事にお願いしたいと思います。明日、佐々木警部には少しだけ話したいことがありましたので。宮本刑事、後でもう一度、今井宅に電話をお願いします。」

「分かりました。」

 二日間の捜査の報告会は、その後少しの事件についての話し合いも含めて、40分ほどで終わった。

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