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死期予見  作者: 本郷真人
第四章
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(1)

 8月16日。

 八雲製作所に刑事達が聞き込みに来てから9日過ぎていた。現在、八雲製作所で一番の話題といえば『遠藤明が事件と関わっている』である。会社の誰しもが遠藤明という社員の話をしていた。

「やっぱりあの女が安藤さんを殺したんじゃないのか?あの温厚な安藤さんが事件の前、あの女にキレたっていう話だぞ。」

「あの人前から誰とも話さなくてちょっと気味悪かったんだよね。」

「事故で家族や親戚全員死んだんだってさ。あいつと同じ中学の奴が言ってたから間違いない。他にもクラスメイトだか担任だかが死んだそうだよ。」

「それってさすがに何かあったよね。もしかして連続殺人にも何か関係があるんじゃないかな。」

 一度生まれてしまった人の噂はそう簡単には止まらない。根拠もなく突拍子もない話だとしても人はそれがさも本当のことであるかのように話す。何故なら噂話に真も偽もなく、それが語り部達にとって共通の話題になることが重要だからである。


 10時50分。

「遠藤明さん。部長がちょっと話をしたいとのことでした。」

 経理部でいつも通りに仕事をしていた遠藤明は急に同じ経理部の同僚に話しかけられた。

 ここ数日の噂話によって、遠藤は今までにないほどのいらだちを募らせていたが、それを決して表には出さないように努めていた。もともと他人と関わることがそれほど好きではなかった遠藤にとって、自身に人が寄ってこないことなどは何の苦でもなかったのだが、どんどん広がるこのくだらない噂だけは我慢できなかったのだ。

「はい。すぐに行きます。」

 遠藤はそう言うと、データ入力をしていたノートパソコンを閉じて部長室に向かった。

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