8,お風呂
「なぁ‥‥琴遥俺たちこの森にきて何日目だ?」
「うーーん、2週間くらいじゃない?」
「うん、そうなんだよ、もう2週間たつんだよ‥‥そろそろさ、お風呂ぐらいは入りたくない?!」
「うん、さすがに髪もべたついてきたし、お風呂はものすごく入りたい!」
こっちに来て散々魔物を倒して、日々を生き抜いてきたけど‥‥もう辛抱たまらん!!お風呂に入りたい!、レベル上げもめっちゃ頑張った、もうみんなで死ぬほど頑張ったから取り敢えず僕たちをお風呂に入らせてください!。
「でもお兄ちゃんどうするの?こんな森の中にお風呂なんてないよ?」
「‥‥作ろう!なければ作ればいいのさ!!」
「‥‥いやどうやって? 私はもちろんお父さんもお母さんもそんなスキル持ってないよ?」
「こう‥‥‥いい感じにDIY?」
「‥‥お兄ちゃん‥‥お風呂作ったことないでしょ? アホなこと言ってないで帰るよ? 世界樹でお父さんとお母さんが心配して待ってるんだから」
「作ったことはないけど、どうにかする!‥‥ほら例えばドラム缶風呂とかさ、こう金属の入れ物があればいけると思わない?‥‥っていうかアホってなんだよ!」
「‥‥あーなるほどね!‥‥で、どこにあるのドラム缶?」
「分からないけど、探せばどこかにあるかもしれないし‥‥」
「‥‥じゃあ、明日探そう?今日はレベル上げで消耗してるし、暗くなったら危ないよ?」
「‥‥分かったそうしようか‥‥いや、もういっそのことお風呂作れるスキルを取るっていうのもありか?」
「うん、待ってお兄ちゃん落ち着いて! 落ち着いてよく考えて! 私も見つかるまで一緒に探すから早まらないで!?」
‥‥確かにちょっと落ち着かないと、最近のストレスと頭の痒さでどうかしてたな。
「ごめんごめん、ちょっとどうかしてたわ‥‥取り敢えず今日は帰るか!」
「帰ってご飯食べようー!」
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「‥‥琴遥、なんかそれっぽい物あったぞ」
「‥‥あったね、なんで今まで気付かなかったんだろう」
俺たち2人は、帰り道ドラム缶みたいなものを見つけた‥‥何故今まで気付かなかったのかは分からない、きっと慣れない環境でいつ襲われるか分からない状態で気を張っていたんだろう。
「‥‥取り敢えず持って帰らないか? お風呂ゲットってことで」
「‥‥そうだね、ストレージに入れておく」
『ポヨン!』
「琴遥まて! ドラム缶の中に何かいるぞ!」
なんだあれ? 青くてゼリー状の生き物?‥‥っといえば、スライムか! 鑑定!
魔物:ブルースライム
レベル:1
説明:そこらへんにいる普通のスライム、とても弱い、弱すぎてこの世界では狩られることはほぼない。
「‥‥こいつの名前はブルースライムっていうらしい‥‥お前そんな弱いの?」
『ポヨン!!』
こいつ俺のなんか相槌うってるけど言葉分かってるのか?
「可愛い!!‥‥お兄ちゃんこの子飼っていい?」
「いやいやいや、そいつ一応魔物だぞ?!さすがに危険だろ!」
「大丈夫だよ、この子凄く弱いんでしょ? それにこんな可愛い子そんなことしないって!、ねー!」
『ポヨ、ポヨン!』
「ほらお兄ちゃん! この子うなずいたよ! 連れて行っていい?」
「‥‥はぁ、分かった連れて行っていいから‥‥その代わり飼うかどうかは父さんと母さんに聞きなさい」
「はーい」
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「「ただいまー」」
「おー!、2人ともお帰りー無事で良かった!‥‥それで琴遥の肩に乗っているソレはなんだ?」
「ごめん父さん実はそいつ‥‥スライムなんだよね」
「‥‥!いや大丈夫なのか?スライムってことは魔物だろ?!」
「なんか凄く弱いらしいから大丈夫だと‥‥思う」
「お父さん絶対大丈夫だと!この子レベル1だし、それに私がテイムスキル取ってテイムするから!」
「‥‥飼うのは分かったがテイムは早めにしといてくれよ?」
「!、分かったお父さんありがとう!!」
「あら、2人ともお帰り、夜ご飯できてるから魔法で手を洗ってこっちに来なさい‥‥あと琴遥の肩に乗ってる子に関してはご飯の時に教えてちょうだいね」
「「はーい!」」
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「なるほどねー、それでこのスライムちゃんが琴遥の相棒になる子ってわけね‥‥あとお風呂を手に入れたと聞こえたけど本当?!」
「うん!‥‥まぁドラム缶みたいな金属の筒状の物ってだけだけどね」
「全然それでもいいわよ、琴遥早速一緒に入りましょ!」
「え‥‥でもお父さんとお兄ちゃんはどうするの?」
「2人はあとよ、それにあっちも話で盛り上がってるみたいだから放っておいて先に入っちゃいましょう?」
「じゃあそうするー」
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俺はご飯を食べた後お父さんと鍛冶師のスキルの話で盛り上がっていると、いつの間にか琴遥と母さんに1番風呂を取られていた、お湯をどうしたのかと聞いたら魔法で出して速攻入ってしまったらしい、お風呂は俺が言いだしたことなので、どうせなら1番風呂は譲ってほしかったものである。ちなみに俺も父さんと入ったが2週間ぶりの風呂は、めちゃくちゃ気持ちよかった、これなら明日のレベル上げは捗りそうだ。
おやすみなさい。