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12、謎の少女2


 ‥‥あれ?もしかしてこの子記憶喪失になっている感じですか!?いやいやそんな訳、どうせ俺たちを騙そうと‥‥している顔のは見えないな。


‥‥‥‥。


 えーヤダー本当に記憶喪失じゃないですかヤダー、どうすんのこれ。


 「あのーすいません、何か失礼なことを聞いてしまったでしょうか?」


 そんなことを考えていると、中々返事が来ない事に不安になったのか、ホーンラビットの毛皮で作った毛布で口元を隠しながら暗い顔でそう聞いてきた。

 ‥‥うん、暗い顔でも可愛い!‥‥ではなくて!、ここは何処で私は誰か‥‥うーん記憶喪失ってことは 自分の名前も分からないってことだもんなー‥‥‥いや!鑑定眼で見れば大体分かるのでは!?、そうと決まれば‥‥‥‥鑑定!!



《レベルが足りない為一部表示します》




➖➖➖➖➖➖➖


ナターシャ

LV■■

年齢:16

職業:■■■■


➖➖➖➖➖➖➖



 ‥‥‥‥あれ?


 ‥‥うん、普通に鑑定失敗したけどこの子‥‥何者なんだ?そもそも‥‥俺この子よりレベル低いのか‥‥。

 

 「お兄ちゃんどうしたの?そんな暗い顔して?」


 鑑定を失敗したことよりもレベルが負けていることにへこんでいると、沈んだ空気に気付いたのか琴遥が不思議そうに声をかけてくる。


 「‥‥この子の名前ナターシャっていうらしいんだけど、俺この子よりレベルが低いらしい」


 結局鑑定で分かったことは、名前と年齢だけで他のことは分らずじまいだった。

 うーん‥‥本当に何者なんだこの子?ワイルドスネイクの腹の中から無傷で出てきたのも気になるし、記憶戻った途端襲ってくるなんてことないよな?

 

 1人であれこれ考えていると琴遥が肩を叩いてきた。


 「‥‥なんだ、琴遥?」


 「なんだじゃないよ!、女の子をいつまで待たせるつもり!」


 琴遥にそう言われ、俺は気付いた。 

 質問されてからまだ何も返事をしていないことに。

 ただでさえ、記憶喪失で不安だというのに、放置し過ぎて涙目になっている。


 「ごめんごめん、鑑定で分かったんだけど君の名前はナターシャっていうらしいんだけど他に何か覚えてることはあるかな?」


 「‥‥‥‥ごめんなさい、何も覚えてないです‥‥ただナターシャという名前には聞き覚えがあります」


 うーん、これでは何処から来たのかも分からないので、家に帰すこともできない。


 クゥー‥‥。


 ふと、そんな音が聞こえ、周りを見渡すが家族は無言で首を横に振っている。

 顔を正面に戻すとナターシャさんが顔を赤くして、うつむいていた。


 「‥‥すいませんが食べ物を少し分けてもらえないでしょうか?」


 どうやら、お腹がすいたらしい。


 「ほら、3人とも話し合いはそれくらいにして、ご飯にしましょう、あなたは作るの手伝ってくださいね」


 いつの間に我に返ったのか、母さんはそう言うと父さんを連れてご飯を作りに行ってしまった。

 ‥‥‥‥気不味い。


 「え‥‥えっとそういう事だから大丈夫です?」


 ‥‥なんだよ大丈夫ですって!もっとなんか言うことあるだろ!?、うんもう無理琴遥助けてくれ!?

 そう思い後ろを振り向くと‥‥琴遥はそこにはいなかった。

 ‥‥‥‥あれ?、アイツどこ行った!いつの間にいなくなったんだよ!?‥‥っていうか、もしかしてこれは2人っきりってやつでは?‥‥落ち着け俺、童貞17歳!彼女いない歴=年齢とはいえ普通に話すことぐらいできるはずだ!。


 「あのー」


 「はい何でしょう、お嬢?」


 「?、お嬢が何かは分かりませんが此処は何処なのですか?」


 「此処は‥‥‥何処かの森の中にある世界樹です」


 「‥‥‥えっと、近くに街とかはないのですか?」


 「‥‥‥すいません、まだこの森から出た事がないので分からないです」


 「そうなのですね‥‥‥ちなみにこの森から出る予定とかはありますか?」


 「‥‥えーと、予定はあると思いますけど、いつになるかは分かりません!」


 「分かりました。‥‥‥あの、初対面でこんなお願いするのが迷惑なのは重々承知なのですけど、私を街に連れて行ってもらう事はできないでしょうか?」


 彼女は申し訳なさそうな顔をしながらも上目遣いでそんな事を言ってきた。


「‥‥えっとー」


「ダメでしょうか?」


 ‥‥やめてくれ、そんな悲しそうな顔でこっちを見ないでほしい。そんな顔で見られると、なぜかこっちが申し訳なくなってくる。


 「‥‥もし、連れて行ってくれるでしたらお礼として、私にできる事なら何でもs」


 「分かりました!、引き受けましょう!‥‥‥は!?」



 気づいた時には反射的に‥‥そう反射的だった‥‥なので、これはしょうがない事なのだ、なのでこの事で怒られても俺は悪くない!なにせ反射的に言ってしまったのだから!

 

 

 

 

 


 

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