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11、謎の少女1


 ワイルドスネイクを倒した龍也たちは、ワイルドスネイクの肉や皮を剝いでいるところだった

 格上との戦闘で3人とも疲れ果てていることもあって、解体に物凄く苦戦していた龍也は人の形をした胃袋を目の前に唖然としていた。


 「‥‥なぁ、この中身なんだと思う?」


 「そりゃーお兄ちゃん、人でしょ‥‥これ生きてるのかな?」


 「2人とも早く出してあげるわよ!生きてるかもしれないんだから!」


 3人は中身を傷つけないよう慎重に胃袋を切り裂いていくと、中には銀髪セミロングの17歳くらいの女の子が全裸で出てきた‥‥‥‥そう全裸で出てきたのである。

 そして全裸で出てきた女の子を龍也はというと、凝視していた‥‥、ほらどこか怪我してたりしたら手当てしないといけないし!ここはしっかり確認しないと命にかかわるからな!!‥‥なので決して下心があって見てた訳ではない‥‥ないったらないのだ。


 「お兄ちゃんは見るな!」


 「ぐあぁ!、眼がぁぁぁ!」


 龍也が見ていた事に気付いたのか、琴遥は即座に龍也の両目を両手の指で目つぶしする。

 痛い!痛すぎる!?十◯石饅頭!?、‥‥じゃなくて!琴遥思いっきりやったな!?確かに見てた、確かに見てたけどさ!躊躇なくお兄ちゃんの目を潰すのはどうなの!?。


 「ほら、お兄ちゃんそんなとこで、うなってないでこっちに来て直すから」


 「‥‥どっちだってばよ」


 「‥‥‥‥ごめん、潰しすぎた」


 そういうと龍也は琴遥が歩いて近づいてきた音を頼りに琴遥がいる方をむく。

 アッ、なんか目が温かくなってきた、それに光が見えて‥‥。

 

 「ほら、これで見えるでしょ」


 「おう、琴遥ありがとな!‥‥ってお前がやったんだけどな!」


 「2人とも、この子には私の上着を着せたからもう大丈夫よ」


 そういう母さんの声を聞き2人は視線を胃袋から出てきた女の子に戻した。

 うーん、そもそも何でこの女の子はワイルドスネイクの腹の中なんかにいたんだろう、胃袋から出てきた時も全裸で出てきたので、服装や身に着けている装飾での身分の特定もできなかった。


 「‥‥なぁ、この女の子助けたのはいいけどこの後どうする?」


 「どうするって、そりゃお兄ちゃん連れて帰るしかないんじゃない?」


 「そうね、このまま放っておいたらこの子を見殺しにした様なものだもの」


 まぁ確かに見殺しにするのは、目覚めが悪いか‥‥それにこの子はこの世界に来てから初めて接触する人間なわけだし、目覚めたら色々情報が聞けるかもしれえない。


 「確かにそうだね‥‥‥‥それで誰が抱えて連れて帰るの?」


 龍也がそういうと2人はいきなり頭を下げてこういった。


「「おなしゃす!」」


 ‥‥‥‥そんなことだろうと思ったよ。


 

============================



 「‥‥それでお前たちは出発前何を聞いていたんだ?」


 「「「‥‥‥‥」」」


 連れて帰ってきた俺たちは、一通り経緯を説明したところどうやらワイルドスネイクと戦ったことが、まずかったらしく父さんはお怒りである。 そんな父さんは正座している俺たちの目の前で鬼のような顔で俺たちを見下ろしている。


 「違うんだよ父さん、気配察知に引っかかったのがたまたまアイツだっただけで初めからあんな奴と戦おうと思った訳じゃないんだ!」


 「‥‥うん、まあそうなんだろうけどな、問題はそっちの2人だ‥‥異世界ものにジャイアントキリングは付き物だけどな‥‥流石に見つけた途端、突っ走るのはどうかと思うんだ」


 「「ごめんなさい」」


 「‥‥まぁ無事に帰ってきてくれたから今回はそれでいいけど、問題はその女の子が胃の中から出てきたっていう子か?」


 「うん胃に切れ目を入れたらこうパカーンと出てきた」


 「いや、桃◯郎かよ!‥‥っていうか、この子大丈夫なのか?」


 うーん‥‥取り敢えず連れて帰ってきて寝床には寝かせたものの一向に目覚める気配がない。

 おかしいなー、胃袋から出てきた時に確認したけど外傷はなかったし脈拍もあったので生きてはいると思うんだけどなー。


 「ねぇねぇ、お兄ちゃんキスしてみれば?」


 「‥‥いや何故!?」


 「そりゃー、お姫様を起こす時はキスと相場が決まってるんだよお兄ちゃん!」


 「いやいやそれは物語の中でだけの話だろ!?」


 「ほら、2人とも目を覚ましたわよ!」


 母さんの声で我に返った俺たちは女の子が寝ている方向に視線を向けると、そこにはベッドから上半身を起こした女の子がこちらを見ていた。


 「‥‥あの、すみませんがお聞きしたい事があるのですけど」


 彼女は不安そうな顔で俺たちにそういい、次に彼女からでた言葉は思いもよらぬものだった。


 「‥‥ここは何処で、私は誰なのでしょう?」


 「「「「は?」」」」


 思いもよらぬ事態に俺たちは唖然と立ち尽くすのだった。


 

 

 

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