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10、巨大な蛇


 3人でレベル上げのため森を進んでいるが、一向に魔物が現れてくれない。


 「なー琴遥、そういえばお兄ちゃんのステータスに気を取られて聞きそびれたけどさ、あなたのも何気にやばいのでは?」


 「いやーお兄ちゃんほどじゃないでしょ、第一私はスキルポイントを使って取得してるだけだから、そこまでではないと思うんだけどなー」


 ‥‥琴遥さんや、何故そんな不思議そうな顔をしているんだい?スキルもそうだけど、あなた‥‥命のやり取りをしてるのにあまりにも自然体過ぎません?。


 「いやいやいや、あなたスキルは置いとくとして緊張感がないというか、物怖じしなさすぎるでしょ!」


 「それはあれだよ‥‥私が危ないときはお兄ちゃんが助けてくれるでしょ?」


 ‥‥うん、自信満々にない胸を張ってるとこ悪いけど、まだまだ弱いお兄ちゃんの力をあてにし過ぎじゃないか?。


 「‥‥お兄ちゃん今失礼なこと考えてたでしょ?」


 「そんなことないぞっと、ほら琴遥アオのレベル上げするんだろ?」


 「むー、なんかはぐらかされた気がする!」


 ふぃー、あぶないあぶない何とかごまかせたか。それにしても2人ともレベル高いな‥‥俺も頑張らないとな、ステータスはいいんだがポイントがな、レベルが上がるごとに増えるものなだけに全然増えないので中々欲しいスキルが交換できない、あと14ポイント集めれば交換できるので何とか今日のうちに集めたい。


 「おーい2人とも魔物が気配探知に引っかかったわよーこの先500メートルに1匹いるわ!」


 「わかった!‥‥ってなんで母さんにそんなことわかるんだよ!」


 「このまま歩いて探すのは効率が悪いと思って、スキルを取ったわ!」


 「お母さんナイス!、いくよーアオ!」


 「ポヨン!」


 おー!母さんのおかげで魔物探しが楽になる!ていうか母さんと琴遥早いな!

 おいて行かれそうになった龍也は突っ走って行った2人を止めるため急いで後を追うのだった。


 「危ないだろあまり突っ走るな!」


 「でもお兄ちゃん、ごめんだけどもう遅いっぽいよ?」


 「龍也、琴遥気を引き締めなさい!気配探知に引っかかったの結構な大物だったわ!」



魔獣:ワイルドスネイク

レベル:50


【スキル】

加速LV4

噛みつきLV5

暗視LV6

気配遮断LV5

気配察知LV4

魔力操作LV2

水属性魔法LV2


説明:体長30メートルある巨大なヘビで雑食なのでとにかく何でも食べる。


 あ‥‥これヤバいやつだわ!、こういう時は必殺の先手必勝!


 「毒魔眼!」


 『シャァァァ!』


 あーこれ、何というかあれだ1秒につき1ダメージしか入ってないうえ、効いてはいるけど怒らせただけっていうそういうやつだ。


 「2人ともごめんダメだったわ!」


 「明らかにヤバいのは分かったけど、お兄ちゃんこの後どうするの!?」


 「龍也!?前をみなさい!?」



 攻撃したことでヘイトがこっちに向いたのか、巨体とは思えない恐ろしい速度で迫ってくるワイルドスネイク。

 大きな顎を開き、強力な噛みつきで食いちぎられるはずだった。


 「お兄ちゃんに近付くな!」


 「私たちを無視すんじゃないわよ!」


 琴遥は手をワイルドスネイクにかざし、顔に向けてファイアーランスを放ち、母さんは多種多様なナイフを放った。

 そしてワイルドスネイクは2人のことを眼中になかったのか避けるのが遅れ直撃をくらい軌道がズレ、恐ろしい速度で龍也の横を通り抜ける。


 『ガァァ!』


 死にそうだったことに冷や汗を流しながら思考を巡らせる。


 「はは‥‥マジかよ」


 ワイルドスネイクは龍也の横を通り過ぎた後即座に身を隠し、発見した時には琴遥の背後から直径2メートルほどのウォーターボールが迫っているところだった。


 「琴遥!?」


 「ウィンドランス!」


 『ギャ!?』


 琴遥の放ったウィンドランスは当たるはずだったウォーターボールを貫通しワイルドスネイクの頭に直撃する。


 「龍也ボーっとしてないで戦いに参加しなさい!? このままじゃ、みんな死ぬわよ!」


 「分かってる!」


 なんかないか、この状況を打開する方法は!何でもいい、今あるスキルでも武器でも使えるもので何か逆転の一手は!?


《スキル所持者の強い感情を確認、これより状況に応じたスキルを強制的に取得します》


 ‥‥‥‥!

 なんか分からないけどこれしか方法はなさそうだな。


 「琴遥!魔法を使って奴を引き付けておいてくれないか!?」


 「分かった、やってみる!」


 そういうが早いか琴遥は魔法を連発し、奴の矛先が琴遥にむく。


 「母さん!包丁なら何でも出せるんだよな!?」


 何でもいい大きな刃物なら‥‥大きな切り口さえ作ることができれば!


 「そうね、出せるわ!」


 「なんか大きな包丁って出せない!?」


 「大きな包丁‥‥‥‥これなんてどうかしら!」


 そういって母さんが慌てながらも手から出できたのは、マグロ包丁だった。

 

 「それでいい、それを貸してくれ!」


 俺は母さんの返事を待たずに包丁を受け取り、凄まじい速度でワイルドスネイクの背中を駆け上がり眼を狙う。

 そして振り向きこちらに気付くよりも早く、眼に包丁を突き立てた。

 さすがのワイルドスネイクといえど、よほど痛かったのか頭に乗っている俺を振り落とし、着地した瞬間を狙って真横から尻尾の一撃を放ってきた。


「今の俺はそんな攻撃当たらねぇな!」


 視覚を片方潰した今なら見えない方は死角になっているはずだ。

 俺はすぐさま死角に入り込み先ほど刺した包丁の元へ駆け上がり、即座に包丁を引き抜きその切れ目に手を突っ込んだ。

 ワイルドスネイクも嫌な予感がしたのか必死に振り落とそうと頭を周囲の木々にぶつけている。


 「さすがのお前も脳みそグチャグチャされて生きているわけねぇよな!?」


 「エクリクシス!!」


 その瞬間、ワイルドスネイクの頭がはじけ飛び、身体はそのまま大きな音を立てながら倒れこんだ。


 


 

 


 


 

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