夫が愛人の子を連れ帰って来た時に前世の記憶を取り戻した公爵婦人
私はフランソワ、公爵であるエドワード・クライスターの妻です。
ある日エドワードが可愛らしい子供を連れて帰宅しました。
「この子はミシェル、6歳だ、私の愛人の子だが母親のマリアが亡くなったので、我が家の子供とするため連れてきた」
それを聞いた私は頭の中が怒りでいっぱいに成ったのでミシェルを追い出そうとミシェルを見た瞬間、前世の記憶を取り戻し、その影響で倒れてしまいました。
寝室で寝かされた私は夢の中で前世の記憶を追憶しました。
前世の私は30歳で外資系企業で女ながら課長をしており、仕事に邁進していて、眠る前に楽しんでいた乙女ゲームが唯一の趣味でした。
特に、〝魔法の花が咲く庭で〟のヒロインの少女。
その父親に似た蒼銀の髪と金の瞳、そして母親に似た優しげな顔が、お気に入りでした。
しかしゲームでは攻略対象の王子やその側近達は全員女好きで浮気をするので誰を攻略してもヒロインが幸福に成れそうも無いのがゲームをした後の不満な点でした。
ならば私が義母として義理の娘を幸せにしてくれる人と婚約させれば良いと思い付いた所で目が覚めました。
次の日には、ヒロインを私達夫婦の娘として養子縁組しました。実の子供達と同様に可愛がり、子供達にも実の兄妹のように接しさせました。
特にフローラには、ヒロインを妹として可愛がる様に誘導しました。
そして義父と義母に詳しく話をして、外に公爵家の血筋を作る夫は公爵として不適格だと結論を出し、次期公爵は長男のクリスに継がせて夫は領地で幽閉と話を纏めました。
空いた時間には商会の会頭をしている叔父と連絡を取り記憶に有るシャンプーやリンス、そして美容化粧品などを教えて商品化して貰い、販売を始める様に話を着けました。
特許料はわたしの個人資産として受け取り、商会は我が公爵家の出入り商会となり、先ずは我が家に納品して貰い、付き合いのある貴族家に紹介すると、瞬く間に貴族に広まりました。
そして娘達について考えます。
フローラは第一王子の婚約者だったので悪役令嬢に成ってしまいましたが、もうすぐ家庭教師も付くのでミシェルと共に教育して、穏やかな令嬢に成って貰いましょう。
婚約者と言えば第一王子はゲームでは見た目だけの能無しで浮気癖がはげしく、後ろ楯は側妃の実家と我が家の公爵家しか無く、取り柄は第二王子より3ヶ月先に産まれただけ。
次いでに第一王子について詳しく調べてみると幼少期のエピソードの通り、無能で勉強嫌いで、根気もなくこの年でエロガキとゲームの通りなので将来性はないでしょう。
やはりフローラには不釣り合いだから第二王子との婚約に話を持っていった方が良いわね。
そしてミシェルには我が国の友好国であるカロス王国の王太子であるクリス王子、ゲームでは我が国の学園に留学生として隠しキャラに成っていたから、ミシェルの婚約者として相応しいわね。
早速話の準備をしておきましょう。
フローラとミシェルの持参金はいまから貯めれば問題は無いでしょう。
まあ、第一王子は王太子に成れずに、更に廃嫡になるでしょうけど、あの王子には相応しい結果でしょう。
それでは我が家の家族の為に素早く動きましょう。