キャベツじごくのライオン
ライオンは キャベツじごくに おちてしまいました。
シマウマに けられて しんでしまったのです。
みぎも ひだりも キャベツだらけ。
キャベツしか たべるものが ありません。
「ああ、おなかすいたよう」
ライオンは もう なんにちも なにも たべていません。
おなかの むしも なりっぱなしです。
ライオンは キャベツを じっと みつめました。
「これ、うまいのかなあ……」
ライオンは ためしに キャベツを かじってみることにしました。
ガブッ!
「まずい⁓」
あまりの まずさに ライオンの かおも キャベツのように しわくちゃに なりそうです。
「ああ、シマウマが たべたいよ⁓。このままじゃ しんじゃうよ⁓」
いいえ、ライオンは もう しんでいますから しにません。
いつまでも おなかが すいたままです。
ライオンは しかたなく、とぼとぼと あるきつづけました。
どこかに たべられるものが あるかもしれません。すると……。
1ぴきの オオカミが いました。
おや? はなさきに キャベツの はを のせています。
「なにやってんだ?」
ライオンが オオカミに たずねると、
「キャベツしゅぎょうだよ。ここには キャベツしかないから キャベツを たべられるようになろうと おもって しゅぎょうを してるんだよ」
オオカミの こたえに ライオンは しょうげきを うけました。
「キャベツしゅぎょう!」
ガビビビーーーーーーーン!
「そうか! おれも キャベツしゅぎょうを すればいいんだ!」
さっそく、ライオンの キャベツしゅぎょうが はじまりました。
キャベツの マスクを つけ、キャベツジュースで うがい。
キャベツの おふろに はいり、キャベツの ふとんで ねる。
ライオンは まいにち まいにち キャベツしゅぎょうを つづけました。そして……。
ついに ライオンは キャベツを たべられるようになったのです。
「キャベツ さいこう! うまい!」
ライオンの たてがみも ほんのり キャベツいろに なっています。
「きゃっほー! ここは もう キャベツじごく なんかじゃない。キャベツてんごくだ!」
ライオンは キャベツを たべて たべて たべまくりました。
けれども たべても たべても おなかは いっぱいに なりません。
はたして ここは キャベツじごくか てんごくか……。
それは わかりませんね。
おしまい
読んでくれてありがとう。