97 婚約の儀
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「はいはい。ウエットと婚約ね」
「陛下…良いのですか?」
「もう、いいよ。そう言う運命なんだよ…」
それでは…と聖女が話し出した。
「私が呪術を唱えますので、その間に接吻して下さい」
「「え!??」」
接吻ってキスの事だよな?
「手とかで良いのですか?」
ウエットが聞いてみたが、唇と唇ですっと元気に答えられた。
マジかよ…。それは無い。男同士でキス?無い無い無い無い。
「無理!俺は中身は男だぞ!」
「陛下のような子供に接吻と言うのは…」
双方納得いかない。いく訳が無い。ハッキリ言って嫌だ。ウエットが稀に見るイケメンで、凛とした目をした良い男でも、オトコ同士のキスは無い。
「どうか魔王陛下、ウエットと接吻を。その事で魔王国の力が安定し、各国からの驚異から逃れられます」
何とか早くキスをさせたそうだ。別に初めてのキスって訳でもない。彼女がいた時期もある。
だけど…男と…。体は女だから、ウエットは抵抗無いだろうけどさぁ。中身は17歳男子だぞ!
でも…それで国が救われるって言うなら…。意識しなけりゃ良いんだ!別にディープなの求められてる訳でもないし。
「よし!やるぞウエット!」
やってやろうじゃないか。国の為ならキスくらい乗り越えてやろうじゃないか。
「陛下…」
イケメンが尊敬の眼差しで、こちらを見てくる。ウエットってイケメンだよな。脂ぎったオッサンじゃなかっただけ良しとしよう。
ウエットは膝をついて目線を合わせると、俺をふわりと抱きしめた。
予想外の行動にビクッとする。
「大丈夫です。怖くありませんよ」
耳元からウエットの声。ドキドキしてきた。いや、これはウエットに対してじゃない。きっと!
ウエットが腕を離すと、俺は「始めてくれ」と言った。とっとと済ませてしまおう。
聖女が歌のような呪文のような物を唱える。
「失礼します…ルーナ様」
何でそこで名前呼びなんだよ。ウエットが近づいてきて、俺は目をギュッと閉じた。
唇に優しい感触が被さる。そっと押し当てるように、温かく優しいキスだった。
「終了です」
そっとウエットが離れた。何だこれ。ドキドキが止まんねぇ。相手は男だぞ。意識してどうする!
男同士のキスだ。ノーカンだ。
「これで魔王陛下とウエットの婚約が成立致しました」
静かな声で聖女が言う。
読んで頂いて感謝!感想聞かせて貰えると嬉しみですっ
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