95 決闘
95
「ウエット、ここに居たか。どうだ?賭けをしないか?」
「賭け?」
「お前を含めて、ここにいる戦士達を全員倒したら無罪放免。出来なかったら、何でも言う事を聞くさ」
マジか、こいつ。相当剣の腕に自信があるようだ。
「ウエットとラバーは、どちらが強いんだ?」
「昔は同等くらいでしたが、今は分かりません」
なるほどねー。ラバーにはお灸を据えた方が良さそうだな。
「ラバー。条件がある」
「何だチビ魔王」
「初めに俺の相手をしろ」
「…は?チビが?」
チビチビ煩いなぁ。俺は魔王で力の象徴だぞ。見た目で判断するなんて、愚かな奴だ。
「陛下!陛下は奥へ!」
「いやいや。俺がやった方が早いだろ」
ラバーは鼻で笑って言った。
「商談成立だな。どうせなら真剣でやろう。早く済む」
「OKだ。ウエット、剣を」
「本気ですか。貴女はこの国に無くてはならない人だ」
「お前、魔王を過小評価し過ぎじゃね?」
渡された真剣は大人用の物だ。果たして持てるのか、とアタフタした空気を感じる。
俺の運動能力や剣技を知らないからなぁ。こんな剣、重くも何ともない。玩具の剣みたいだ。
「じゃ、ラバー勝負しようや」
「勝気な娘だな」
「さぁ、来い」
「では、お手並み拝見!」
ダッと地面を蹴り、こちらに体を向けてきた。左に刀を振ってきたので、逆に避ける。
すかさず右に返すが、それも避ける。まるでダンスのように軽やかだった。
「チッ!何だこいつ!」
上から下へ剣を振り下ろす。それを片手剣で受け止めた。ラバーは両手で振り下ろしてきた訳だが。
その剣を勢いよく払い、剣の腹でラバーの腹部をどついた。そして倒れたラバーの首筋に剣を持っていく。
「はい、俺の勝ち」
「な、な、な、殺せ!恥じて生き伸びる気は無い」
「剣士って感じだけど、約束は果たしてもらわないと」
剣をウエットに渡しながら俺は答えた。
「何だ?俺がやるべきことを言え」
「ウエットを手伝って、この国の維持の手伝い。それと、もし俺が不在な時の魔王の代弁みたいなのしといて」
「俺を信じるのか?」
「信じるよ。そうじゃなきゃ、勝負なんて初めからしないよ。ラバーは本物の剣士だ」
ラバーは諦めたように溜息をついた。
「ウエットは慣れるまで、ラバーに付いてやって」
「は、はい。本当によろしいのですか?」
「良い奴だよラバーは。もう大丈夫だよ。剣を交えれば分かるさ」
そこへ使いの者が、慌ててこちらへ現れた。
「聖女様が及びです!」
今度は何だー?元の世界に戻れるとかなら良いんだけどな。
読んで頂いて感謝!感想聞かせて貰えると嬉しみですっ
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