91 殺気
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「ウエットー。俺はさ、ここにいる間は何をすれば良いんだ?」
「ただ存在していらっしゃるだけで良いのですよ」
「魔王健在って事だけで良い訳だ?」
「ただ、各国の使者が来た時は魔王陛下として、応対をお願いしますが…」
「何それ面倒くさ。陛下は小さいからって代理立てられないの?」
「それでは魔王降臨の効果が薄まります」
はいはい。やる事はやれって事ね。でもまぁ、そんなに使者なんて来ないだろ。
今日はウエットに乗せて貰って、馬の上で街の散策だ。皆俺を見ると手を振ってくる。
いい加減その相手にも疲れてきた。
……ん?その時に明らかな殺気がした。間違いない。
「コマンド!」
時を止め、その場所までジャンプして移動する。100メートルくらい先。横道から気配がする。サッと中へ入ると、1人の男が道に向かって弓を構えていた。
弓なんて俺には当たらないよ。けど他の人に当たるのはヤバいな。
メニューを動かす。えーっとこいつは、魔族の魔力持ちか。
魔族の城の者を恨んで殺そうとして、この国から出国。魔王復活を良きとせず暗殺を計画。
ありがちだけどさ、俺関係なくね?魔王としてヨイショされてさ、混乱中なのに酷くね?
俺はメニューを閉じた。時が動き出す。
「おい、お前」
後ろから声をかけられ、ビクッとする男。
「やめとけよ、暗殺なんて。そんなの何も生まないぜ」
「だ、誰だ嬢ちゃん。いつここへ?」
「何だよ俺の顔も知らなくて来てんのかよ。一応俺は魔王だよ」
少し魔力を高める。男もその魔力に気づいたのだろう。慌てて弓を俺に向けた。
「そんなん当たらないし、やめとけよ」
「私は生粋の魔族なのだ。それをバカにされ殺そうとしただけで、国から追い出された!のうのうと魔王が現れたとか、戦争も止まって俺の計算は台無しだ!」
「あっそー。他国へ行っても変わらず恨んで生きてきた訳だ。少しは人の温かみを学べば良かったのに、な」
俺はそう言うと、男の腹に一発パンチをお見舞いした。吹っ飛んだ男は壁にぶつかり、動かなくなる。風に気絶してるだけだと教えられて安心する。
道の方では陛下が消えた!陛下ー!と大騒ぎだ。やれやれ。
読んで頂いて感謝!感想聞かせて貰えると嬉しみですっ
ご意見や、こんな話になったら面白いなってあったら、教えてください。




