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転生したら俺は美少女で  作者: 満月(みつき)
6/126

6 女子はお得らしい

6


まぁ娘が中身男だったら、混乱するよな。


「雅也…あんたラッキーボーイね」


「は??」


この状況の何がラッキーなんだ?


「この世界では圧倒的に女子が少ないのよ。だから凄く大事にされるし、婚約者や結婚相手も複数出来るわよ」


「いや、まったく嬉しくねぇよ」


そこへ父親と思われる男性が、俺に声をかけてきた。


「ルーナには、既に志望者から厳選した5人の婚約者がいるんだよ」


ルーナ…は俺だよな?俺に婚約者が5人?


「その婚約者の性別は…」


「もちろん家柄の良い健康で優秀な少年ばかりだよ」


ですよねーーー。

可愛い女の子達に囲まれている自分を一瞬想像してしまった。

悲しすぎる…。


「でも…良かったよ。どんな形でもさ、弟がこうして生きててくれて。女の子庇って死ぬなんてさ。母さんなんて、生気のない顔してて心配なんだ」


「そっか…そうだよな。親父に続いて俺まで…」


「母さん的には、ね。そうなるかな」


「は?何?」


「父さんの方の家系なのかなぁ。実は父さんも、こっちで暮らしてたりするよ。あ、独身は貫いてるけどね。夢は現世界に戻る方法を探す事だってさ」


「…親父…こっちで生きてんの?」


「バリバリ生きてる」


「俺のこれまでの涙返せよ」


「まぁ、あんたも頑張りな。性別は体に引っ張られやすいから、そのうち女子的な思考になってくと思うし?多分?」


「それはそれで嫌だよ!」


俺が俺でなくなるって事じゃないか。


「まぁ前例が無いからね未知数だよ」


この世界については、ここの両親に聞くようにと美奈姉…ナナは帰って行った。


何だか第2の人生…波乱万丈な未来しか見えない。


「やってけんのかな…」


小さな白い手のひらを見ながら、やるっきゃないよなーと両親の話に耳を傾けるのだった。


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