58 シャルル
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数日で、頭の中がスッキリとしてきた気がする。ちゃんと笑えているだろうか。
今日はシャルルが遊びに来るらしい。シャルルは純粋だ。人の裏を考えたりしない。
今の俺には、気が楽な相手だな。素直で真っ直ぐなシャルル。女子トークはしてやれないけどな。
「ルーナ様!遊びに来たよ!」
「シャルル、いらっしゃい。今日も可愛い洋服だね」
「そうでしょ?最近のお気に入りなのっ」
桜色のワンピース。とても良く似合っていた。髪には花のブローチを付けている。
相変わらずシャルルは可愛い。
「昔から、シャルルは可愛い物が好きだったの?」
「そうだよー。物心ついた時から、可愛い物が大好きで男の子が欲しがる物なんて興味無かった」
「そうなんだ。個性ある子供だったんだな」
「最初はね、皆取り上げられた。髪は短く切られて…いくら訴えても、男は男らしくって押し付けられてた」
「…シャルル??」
「っあ、ごめんね。何でもないの。昔の話」
「いや、聞かせてくれる?昔のシャルルの話」
考えた末に、シャルルは話し出した。物心ついた時には、可愛い物が輝いて見えた。母親の部屋には可愛い物がたくさんあって、そこはお気に入りの場所になった。
だが成長するにつれ、可愛い物を欲する自分と家族や使用人との間にズレが生じてきたのだ。
周りは男の子の玩具を与えてきた。新しい服は可愛くもない上衣にズボン。髪を伸ばしたいと言っても、バッサリと切られた。
自分の部屋には、難しい本が並びシンプルな部屋。毎日がつまらなかった。
母親の部屋に入って、可愛いアクセサリーや洋服を自分にあてていたら怒られた。
そんな事が何回か続き、その度に泣きはらしてもがいて来た。それでも何度でも可愛い物を追求する事を諦めなかった。
そうしていたら、少しずつ周りの対応が変わっていったのだ。こっそりリボンをくれるメイドや、部屋に花を飾ってくれる人。
母親に聞かれた事がある。
「シャルルは可愛い物が好きなのね?女の子の洋服やアクセサリーとか欲しいの?」
「うん!欲しい!可愛くなりたい!」
「分かったわ。お父様にはお母様から言っておくから、シャルルは自由に可愛くなりなさい」
「いいの!?」
「その代わり…約束があるの」
「やく…そく?」
「大大貴族のルーナちゃんの恋人になるって約束出来る?」
「コイビトに?なる!なるなる!」
「そう…いい子ね」
それからは、自分の部屋は可愛く彩られて可愛い服やアクセサリーが用意された。髪も伸ばして整えて。
もう殴られたりしない。閉じ込められたりもしない。怖い事は何も無い。
「ルーナ様は、私の救世主なんだよ」
話の終わりに、シャルルはニッコリと極上の笑みを浮かべた。
読んで頂いて感謝!感想聞かせて貰えると嬉しみですっ
ご意見や、こんな話になったら面白いなってあったら、教えてください。




