57 忘れてはいけない事
57
夢の中で俺は暗闇の中に取り残されていた。体はルーナでも雅也でもない。床に垂れるほどの長い金髪。
世界を破壊した女神!お前のせいで世界はバラバラ!人の運命もバラバラだ!暗闇から声がする。
やめて、やめて、やめて!違う!私は救いたかった!破滅する世界を救いたかっただけ。
4つの光の方角からは別の声が聞こえる。
我らが魔王。どうぞお目覚め下さい!我らの忠誠は貴女のもの。国の者達もお待ちです。
私達の妖の王女。全ての妖は貴女の思うままに。永遠の忠誠を…。
どうか、我らが主を召喚して下さい。貴女が我らの救い主。
鈴鳴姫様。お戻りください。その霊力で封印を強固な物に…。
知らない、知らない。私に全て言わないで!私じゃない!私じゃないの!運命なんて知らない!
私は…私は…わた、し?違う。違う。俺は…俺は違う!変わらない!
「はーっはーっはーっ」
汗だくで目が覚めた。まだ大きかった時の体の感覚が残ってる気がした。
だが目の前には、ぷくっとした小さな手。もう雅也だかルーナだか何者なんだか、分からなくなる。感覚が狂っているのだろう。
運命…舐めてたかも。色々な物が一気に頭の中にねじ込まれたように、いっぱいいっぱいだった。
「俺は…雅也で…ルーナだ」
言い聞かせるように、つぶやく。これから例え何が起こっても、その2つだけは刻んで生きなければいけない気がする。
今後何が起きようとも流されない。何と異名がつこうが、どんな力が手に入ろうが。誰が何て言ってこようが、俺は俺だ。
多分それを忘れなければ良いのだと思う。これからも、俺がちっぽけな人間だと忘れてはいけない。
そんな気がした。
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