56 過去人?
56
「お前、だと?生まれ変わっても女神の恵を受け、守られている者に言われたくはない!」
ラーファが激昂する。リフェラーヌが腕を掴んで居なかったら、飛びかかって来そうな勢いだ。
「私はこの国で貴族として生まれた。実の兄がこのリフェラーヌ兄様だ。前世で愛した人が、実の兄だ!笑わせる!」
「いきなり喧嘩売ってくんじゃねーよ!俺はお前らなんか良く知らない!」
このラーファの姿を金髪にしたら、女神に変化した自分と瓜二つと言う事に気づいた。前世で双子の姉と言うのも…断片的な記憶の中で嘘では無いのだろう。
「本当にリーファ…なのか?口汚い」
「例えそうでも、今の俺はこの俺だ!」
睨み合う2人。そこへリフェラーヌが口を挟む。
「まだその時ではない。リーファに間違いないが、中身が別人の様に違う。またにしよう、ラーファ」
「兄様…。分かったわ。貴女は目覚めたばかりと聞いた。貴族同士、また会いましょう。貴女が壊した世界の代償を払わせてみせる」
ズキっと胸が傷んだ。世界を壊した。抜いてしまった伝説の剣。バラけた世界。抜かなかった先に平和な未来があったかもしれないのに。
手が…足が…体が震えてくる。自分は罪深き姫の、生まれ変わり。私が選んだ道は間違っていたの!?
そこで意識が飛んだ。倒れたルーナをジンが優しく包んで受け止める。私は…俺は…。
「リーファ様。またパーティーのお誘いですよ」
「そう…」
「お嫌そうですね」
「そう言う、マナーがどうのって言う目立つ事は苦手なのに」
「リーファ様は女神様ですのに。謙虚でいらっしゃいますね」
好きで女神に選ばれた訳じゃないわ。ジンやサーラ等の精霊さんとのお話は楽しくて大好きだけど。
他はろくな事が無い。
女神らしく神々しくマナー良くって。私には合ってないのよ。その点、ラーファ姉様とリフェラーヌ兄様は自由で伸び伸びとしてて良いな。
こんなグダグダしてたら、風姫辺りに怒られそうね。もし別の人生があるなら、野山を思いっきり駆け回れる生き方をしたいわ。
俺が目を覚ましたのは、倒れた次の日だった。母親が寝ずに見ていてくれたらしい。
「ルーナ!良かったわ!また起きなくなったらって…」
もう泣き出しそうだ。
「大丈夫だよ母様。少し疲れて眠くなっちゃったみたい」
「気をつけるのよ?貴女が強いって話は、ジョセ達から報告を受けてるけど。貴女は女の子なんだから…ね?」
「はい。了解しました」
どこの時代も母親は強い。優しい口調の裏に絶対的な力を感じる。
「今日は寝ていなさい?婚約者様達がお見舞いに来たがっていらしたけど…どうする?」
「遠慮します!!あ、そうだ。ねぇ母様?」
「なぁに?」
「まだ世界が1つだった時の伝説って知ってる?」
「有名な昔話よね。詳しくは知らないけれど」
「有名なんだ…。じゃ、もう少し寝るね母様」
「えぇ。おやすみなさい」
読んで頂いて感謝!感想聞かせて貰えると嬉しみですっ
ご意見や、こんな話になったら面白いなってあったら、教えてください。




