40 可愛いもの好き
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「応接室も良いけど、私のお部屋に来て。見てもらいたいの〜」
中へ招くと、嬉しそうに言った。
「可愛いでしょー?」
「ピンク…好きなんだね」
壁紙も家具もピンク。所々にパステル調のブルーとイエローが入っている。
ぬいぐるみも、あちこちに置かれている。…ドールハウスみたいだな。
「ピンク大好き!」
「シャルルは男なんだろ?それとも中身は女子?」
「男だよ?可愛い物が凄く凄く大好きなだけの、普通の男子」
その場でくるりと回転する。スカートがフワーと揺れた。
「シャルルも可愛いと思うよ」
「嬉しい!ルーナも凄く可愛いと思うわ」
「あの…シャルルは男子…だよな?」
「そうよ?何?男が可愛い物好きじゃいけないの?」
「いや、個人の趣味だから良いと思うけど?」
するとシャルルは嬉しそうに抱きついてきた。
「ルーナ!貴女最高よ!」
シャルルは物心ついた時から、可愛い物が大好きだった。ピンクやフリルにお人形にぬいぐるみ。
手に入れるだけでは飽き足らず、自分の服も女子の物にしていった。
最初は何とか男らしく育てようとしていた家族も、その強い意志に負け将来を悲観しながら了承した。
救いなのは可愛い物は好きだけど、恋愛対象は女子だった事だ。大貴族としてのメンツは守れる。巨大貴族のルーナ嬢の婚約者として、立場的には問題無かったのだから。




