35 家族団欒
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今朝は早起きして、こちらの父親と母親の寝室に向かった。コンコンとドアを叩くと、どうぞと母親の声が返ってきた。
「…失礼します」
ドアを開けて、ひょっこりと顔を出す。
「まぁルーナ!いらっしゃい」
ベッドに座っていた母親は、父親との間の空間をポンポンと叩く。
座れという事だろう。
近ずくと、父親がヒョイと抱えて座らせてくれた。両親の間に座って、何かこそばゆいな。
母親が頭を優しく撫でてくれる。何だか懐かしいな。昔は俺も母親について回っていた時期があった。
「あの…俺が…元男で、ガッカリしたんじゃない?」
「そんな事ないわ。驚きはしたけどね。貴女を産んだ日から、貴女が目を覚ますのを、どれだけ待ったか…」
「17年間は長かったが、目覚めてくれて…良かった」
父親も頭を撫でる。そうか。時間の魔法で俺は10歳くらいだけど、実際には17年間…俺が死ぬまで待ってたのか。
そう思うと複雑だった。俺が早死したから、出会えた異世界の体の両親。
俺が長生きしてたら、会えなかった訳だもんな。
「俺でも…嬉しかった?」
「当たり前じゃない!貴女は正真正銘、私達の娘よ」
ギュッと抱きしめられる。ずっと待ち望んだ娘の目覚め。どんなに目を覚ます日を夢見て居たんだろう。
つかの間の、初めての親子団欒を味わった。いい両親で良かった。
家族になれるといいな。母と、父と、思える日が来るといい。
「この後、食事したら婚約者の1人が来るんだってさ」
「そうなのね。ルーナは可愛いから、婚約者の方々も大変ね」
「中身は男だから、どうなんだろうな」
「そのうち、体に合った形になるわ。心配しないでいいのよ」
俺は俺のままが良いんだけどな。変わっていくのだろうか。これから。まだまだ俺は俺でいる!
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