33 マジで?
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次の日、俺はラファドの家へと向かっていた。すぐに行くはずが、随分色々あって遠回りしてしまった。
以前は感じなかった、森の息吹が気持ちいい。精霊のおかげってやつか。自然を満喫した先に、森がひらけると大きな屋敷が目に入ってきた。
赤い屋根のお屋敷だ。俺の家と同じぐらい無駄にでかい。
背伸びしてコンコンとノックすると、中からメイドさんが出てきた。
「何か御用?お嬢ちゃん?」
キョロキョロと周りを見渡す。
「歩いて来たの?」
「歩いて来たよ?何か変?ラファドいる?」
「お名前は?」
「ルーナだよ」
「ルーナ…様?ご婚約者様!?どうぞ中へ!お坊ちゃまをお呼びしますので、こちらへ!」
メイドさんに応接室へ案内され、出されたジュースを飲む。
歩いて来るのは、貴族らしく無かったか?でも、徒歩圏内だったし。森は綺麗で眩しかった。
遠い時は馬車を頼むか。そういや家を出る時も、メイドさんが危ないから馬車を!とか言ってたっけ?
一応貴族のお嬢様だもんな。狙う人間もいるのだろう。チートすぎて忘れがちだ。誘拐とかされたら、面倒だもんな…
タタタタタッと2階からの足音がして、バンッと扉が勢いよく開いた。
「ルーナ!!」
「お、おぅ」
ちょっと可愛いとか思っちまった。こいつがこの体に入るべきだったんじゃないか?
こんな格闘系の、むさ苦しい17歳男子が入るべき体では無い。こういう根っから可愛い奴が入るべきなんだ。
「遊びに来てくれたの!?」
「いやー話を聞きに来たってのが正しいかなぁ」
「話?何?」
話なんて早くして、遊びたいって顔をしている。急かすように聞かれるが、俺が聞いて良いものか悩む。でもまぁ仮にも婚約者様だし…いいよな?
「あの、さー。聞きにくいんだけどさ」
「ん?何なに?」
「ラファドって人龍なのか?」
「………え」
ラファドの表情が固まる。表情が消えてガクガクと震え出す。
ラファドが部屋に来た途端、火の精霊サーラが嬉しそうだったので火竜だろう。
「何で………?」
「いや、えーっと。何となく?」
メニュー画面に出てたから、とは言えない。俺以外に見えない物を証明する術も無いし。
「あの、大丈夫か?ラファド?」
「あ……う、ん。僕…は…」
そこへ開いた扉の向こうから、執事らしきお爺さんが現れた。
「はじめまして、ルーナお嬢様」
「あ、はじめまして」
「失礼ですが、婚約者様にお会いになるのは何人目ですか?」
「ラファドで3人目です。リスタとレミットと会いました」
「そうですか…まだウィザ様には会われてないのですね」
「はい。会ってません」
「ご婚約者様の中で、ラファド様とウィザ様が人龍でございます」
「え……」
今度は俺が唖然とする番だった。婚約者、濃すぎないか?
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