29/126
29 龍
29
「こんにちは!!」
俺は元気に話しかける。やれやれ…と精霊達は着いてこない。
知りたいもんは知りたいんだから仕方ない。
「今日も来たのか」
「来るって言ったろ?今日は何してるんだ?」
「生きてる…な」
「そっか!いい事だな」
「我を殺す気になったか?お主なら出来るやもしれぬ」
まだそんな事を言っているのか。
死んでいい事なんてない。
「何で、そんなに死にたいの?」
「疲れた…。我は、ただの龍だ。龍が5つの部族に分かれているのはしっているか?」
「うん。火竜とか水龍とか?」
「うむ。我はどれへも属さぬ。ただの龍だ」
我に種族等と言うものは無かった。親からも見捨てられた。外に放り出された。
「底辺龍が!恥さらしな!」
何度そう言われ、時には攻撃をされた。空の近くには龍が住む。我は地へと逃げた。
だが龍より下等な精霊や妖精、妖怪、魔族等からも何者でも無い自分を受け入れる者は無かった。
人の姿をしても、目立つ容姿。どこにも居場所など無かった。人間の気持ちなど分からぬ。
この数百年、ただただ我は生きてきただけだった。死ぬには強すぎる体。何も無い苦痛な日々。




