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転生したら俺は美少女で  作者: 満月(みつき)
21/126

21 ルーナ歩けば…

21


「では、ここでお待ちしております」


「はーい」


馬車を公園付近に停めてもらい、町を散策する事にした。

色々と考えると、頭が痛くなる。


遥か彼方の自分も女性で、その記憶がボンヤリあったり。チート能力で無敵だったり。

俺の所へ来た者が言ってた、運命が沢山編み込まれてると言う事。


俺一人が背負うには、重すぎた。


「戻れるなら雅也に戻りてぇなぁ」


そう思いながら歩いていると、目の前に男の子が横から飛び出して来たのが見えた。そのまま路上に飛び出していく。


このままじゃ轢かれる!


「コマンド!!」


目の前にメニュー画面が。周りは止まっていた。

慌てて男の子の所へ行く。ルーナより上くらいの年齢だろうか。馬車に驚いた顔で固まっている。


その手には女性の帽子が握られていた。

これ取ろうとして、突っ込んだのか。見た目より子供なんだろうな。


男の子の体を歩道に持っていき抱きつく。

これで時間が動いた時に、飛びついて助けたように見えるか?


メニューの閉じるボタンを押す。


一気に時間が動き出す。慌てて止まる馬車。それに気づいた周りの悲鳴。


ドサッと歩道に投げ出される俺と男の子。


「あ…あわ…ぁ」


「大丈夫??」


「う、ん」


後ろを振り返る。助けてなかったら、ぶつかっていたな。


「ラファド!!!」


悲鳴のような声を出して、母親と思われる女性がこちらに駆け寄って来た。


「母様…」


ギューッと抱きしめ、ホッとした様子で涙を流す。


「ごめんなさい。僕…」


「もう同じ事をしてはダメよ。帽子なんて買えば良いしなくてもいいの。貴方は、たった1人なのよ」


「はい」


男の子も泣き出した。この子…15歳くらいにしては、幼い感じだなぁ。


「この子の母です。助けて頂いて、ありがとうございます」


落ち着いて、俺の存在に気づいたらしい。


「いえいえ。誰も怪我してないですし、大丈夫ですよ」


「貴女が助けてくれなかったら、ラファドは馬車に轢かれていたでしょう。感謝しかありません!」


「いやー、大したことしてないので」


命懸けで助けたように見えてんだろうなー。何だか良いことをしたのに、罪悪感が…。


「じゃ、これで…」


「いえ!お礼をさせて下さい!」


「いや、ほんと大丈夫なんで」


「あ…ら?貴女…ルーナ様ですか?」


おっと。この人、大貴族の人間か。俺を知ってるのは婚約者とその親だけなはず。


「あ、はい」


「ルーナ様??」


ラファドも泣き止んで、こちらを覗き込んでくる。

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