13 ふとした疑問
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リスタが帰り、自室で俺は頭を抱えていた。極端に女子が少ない世界では、こんな問題も起こるのかと。
まぁ偉い貴族様は跡継ぎが欲しいよな。この世界の出生率だと、男が産まれるだろうから、5回妊娠出産しろって事だろうけど。
他に異世界から来た女子も、皆驚いただろうな。…美奈姉は…いるのか婚約者?
あれ?美奈姉は特殊だったっけ。こっちと現世界と自由に移動可能なんだっけか。
じゃぁ特に貴族とは限らないか。いやでも、結構良いドレス着てたよな。
「すいませーん」
ドアに向かって叫ぶと、すぐに開きメイドが入ってきた。
「はい!お呼びでしょうか?」
「あの、ナナって貴族ですか?」
「ナナ様のお家柄は7つの大貴族の1つに入られております。ルーナ様と同じですよ」
「あー…そうなんだ」
美奈姉、庶民生活と貴族生活満喫してんのか。羨ましいな。
「ナナにも婚約者とかいるんですか?」
「はい!ナナ様には現在6人おいでになります」
「6人!??」
俺よりいるじゃん!年齢的にも子供出来てもおかしくない訳で。
「まだ子供とかは…」
「ナナ様はお忙しい方なので、まだお出来になってませんね。婚姻もまだなのです」
二重生活だもんなぁ。何か、俺なんかより大変そう。
「大概、現世界と言う向こう側においでです。こちらに魂が戻られる方の目覚めが近づくと、こちらに来られて説明等をしてらっしゃいます」
「ナナみたいな両方の世界を行き来する人間って他にいるんですか?」
「私の知ってる限りはナナ様だけです」
我が姉、特殊!苦労してたんだな。まぁ…俺も特殊か。