120 覗き見
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「さて、俺の偽物とやらを拝みに行くか⋯レニス!」
城の上空に移動した。
「さーてさて。お。居た居た。見た目そっくりだなぁ⋯。て、道の横の木の陰に、ラバー隠れて見てんじゃん!よし」
俺はラバーの後ろに、そっと気配を消して降りた。
「あーウエット隊長⋯何であんなに変わっちまった陛下に、普通に接してるんだよ⋯。あんなになっても陛下は陛下って事か。今までの陛下がおかしかったんだけどさ。あんなの陛下なんて思えねぇよ」
何かムカつくな、こいつ。
こいつは、俺が変化したって思ってるって事か。まぁ見た目そっくりだし分からんくもないが。
言い方がムカつく。アイツが大声を出しても周りに響かないように精霊に頼む。
「おい」
『うるさいな、今は陛下とウエットの恋の行方をだな』
「こっち見ろ、ウエット」
『⋯は!?え!?だって!えぇっ!?』
「落ち着けよ。俺が本物のルーナだ」
もう大声を出すなと言いつけて、話を続ける。
「偽物が来てるってんで見に来た」
「はい⋯ウエット隊長まで騙されて⋯」
「は?ウエットは気づいてるぞ?ただ俺の姿をした者に、動きようが無いだけだ」
「はー⋯なるほど」
「偽物だと言う証拠が無い。下手に騒げば、自分が処罰されかねない」
「ウエット隊長も苦労してるんだねぇ⋯」
「俺は、気づかないお前にムカついたけどな」
「申し訳ございませんでした」
「って、この俺も偽物だったりしてなぁ」
「そうは思いませんよ。魔力が懐かしい」
「そっか。さて。この先はお茶会出来るコースか」
「先回りするなら、俺も連れてって下さいよ」
「おし。んじゃ、レニス!」
花壇の中心にあるお茶会場まで移動する。ラバーは木陰に移動させた。
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