117 約束
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「ここで死ぬ訳にはっ!」
そう言って、また攻撃を仕掛けてくる。ヒュンヒュンと位置を移動させながら迫ってくる。
俺にとってはスローにしか見えないが、結構なスピードで来ているようだ。それを軽く避けると、肘に気を溜めて腹に一撃を食らわした。
「ガハッ!!」
吹っ飛んで転がる。痛恨の一撃だったろう。もちろん手加減はした。殺しても何もならない。俺は人間だけど、今はこいつらを統べる妖の王なのだ。
人に危害を加える事を許す事は出来ないが、代わりを与えることは出来る。きっと。
「なぁ、喧嘩はやめようぜ?俺はソラの呪いを解いてもらいたいだけだし、ちゃんとお前の命の事も考えてやるつもりだ」
「人間なんて…そんなものにっ」
「今の俺は妖の王様だぞ?お前を救える力がある」
「救う?主がか?私を?」
「お前、妖怪の中じゃ良い奴の方だろ?俺の魔王国で住まわせてやるし、魂の力が欲しいなら俺が注入してやる。人の子に呪いをかけてまで、その力を得ようとしなくても良いんだ」
「魂の…力が戻せるのか?」
俺は奴の目を見て、しっかりと頷く。
「まずは、ソラの呪いを解け。俺を信じ従え」
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