116 妖の王
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「ソウ、ソラ連れて離れてな。そして目を瞑って、俺が呼ぶまで大人しくしとけー」
「あ、うん」
2人が移動するのを見届けてから、天白に向き直った。
「俺の力を見せてやるよ」
自分の中の妖力を体の中心に集める。どんどん集まり、身体中に広がっていく。バキメキ音がなるように、妖力と共に身体が成長していく。
「ふぅ」
落ち着いた時には、ショッキングピンクのツインテールの髪。紅い瞳。上から下へピンクから血の色に変わるような、服の端が華のようなワンピースを着ていた。
その姿に…その妖力の強さに天白は驚愕していた。色々な妖に出会ってきたが、これ程までに強い者には会った事がない。
「コマンド!」
さてさーてと。名前は…この姿の名前はトワ。妖の王。妖の統治を目的とする、か。
魔王でもあるのに、妖まで制御しなきゃいけないのか。また面倒が増えたなー。後は2つか。魔法と霊力。面倒が増えない力だと良いな。
メニューを閉じて、一呼吸つく。さてと、どうしようかな。こいつ頭は良さそうだし、それ程悪いやつではなさそうだしなー。
「何者だ!?」
「俺の今の姿の名前はトワ。妖の王だ」
「あ、妖の王…だと!?まさか…あれは伝説だと…」
「お前の感じる、この能力の強さで分かんだろ?」
ググッ!と妖力を上げる。天白は戦闘モードのようだ。
力を見せないと納得しないタイプか…。めんどくさいなぁ。
「やめようぜ。バトルしても仕方ないだろ」
「だまれ!」
そこそこのスピードで、伸ばした爪で首を狙ってくる。それを軽く叩いて反らさせる。片手であしらわれ、困惑している。
会心の一撃だったのか、信じられないようだ。
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