114 現れた狐
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その頃、本物のルーナはソラを抱えて丘へと登っていた。楽勝である。
「さて、と」
『ルーナ様』
「ん?何だバッセ」
自分の影を移動場所にしている、守護悪魔の1人である。
『城にルーナ様の偽物が潜入しているようです。先にそちらをどうにかした方が…?』
「偽物ねぇ。今はこっち優先!以上!」
『御意』
ゼーゼーと丘に上がってきたソウが、何ブツブツ言ってんだ?と不審な顔をしている。
「何でもない。こっちのトラブルだけど、まぁ問題無い。俺は仲間を信じてるからな」
「そうか。信じてんだな」
「まぁ何とかなるだろーって感じだよ。面白そうでもあるし」
「お前今、すごく嫌な笑い方したぞ?」
そんな事よりも、まずはソラの状態改善だ。
「まずは狐をあぶりだす。命に関わるものに、ちょっかい出せば出てくるだろ」
俺は自分の中に眠る妖力に意識を集中した。今のルーナの体のまま、最大限の妖力をソラに送る。
待つこと数分。
「あーれれれー。僕の獲物にちょっかい出してきたのは誰だ〜い?」
「遅かったな」
現れた狐の妖怪は、キョロキョロと周りを見る。
「何だい逃げたのかい?」
まぁ今の姿はルーナだ。誤解しても仕方ない。どこに目をつけてるんだか、このマヌケな狐さんは。
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