112 合流?
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その数時間前の事。
「陛下ー!陛下ー!」
ウエットが焦って、あちこちを探し回っていた。一緒に連れてきた部下達も魔王陛下ー!と辺りを探し回っている。
ここに現れると聖女が言っていたのに!来た時には誰も居なかった。聖女が間違える訳が無いのだ。
ガサガサっと草がなる音が聞こえた。そこから、ひょっこりと顔を出したのはルーナだった。
「へ、陛下!良かった!ご無事ですか!?」
「うんっ。私は全然大丈夫だよー」
「本当に良かったです。お探ししたのですよ」
「ごめんね、ウエット〜」
ルーナが抱きついてきた。驚愕しながらも抱きとめる。
「陛下?」
「ウエットに会えなくて、私…淋しかった」
キュルンと上目遣いではに噛む。可愛い。可愛いのだが?
「何かありましたか、陛下?その…ちょっと様子がおかしいような?」
んー?と考える仕草をした後に、ニッコリと笑顔を作った。
「向こうの世界で色々とあったからかなぁ?そんなに変わった?こんな私は嫌い?」
「い、いや。滅相もございません。陛下は変わらず可愛らしいですよ」
ルーナは満足気に頷いた。
「ねぇ。私…ウエットが好きだって気づいたの。城に戻って少ししたら…結婚したい」
「けっこ!?」
固まるウエットである。落ち着け!落ち着くんだ!異世界で、体の性別に寄る何かがあったのだろう。
「へ、部下の目がありますので…」
「そっか。ごめんなさい」
シュンとした顔をしている。可愛い。前の陛下も可愛かったが、今の陛下も可愛い。いや、これが陛下の本来の姿なのだろうか。
「さ、馬車にお乗り下さい。城に戻りましょう」
「そうね。皆、元気かな〜」
お優しい陛下。陛下…なのだが、違和感が拭えない。人は変わるものだ。陛下にも何か心が動く出来事があったのかもしれない。
そして馬車はルーナを乗せて城へと急ぐのだった。
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