104 転入生になってみた
104
「ほらほらほらほら、鏡を見て!世界一可愛い子がいるわよ〜」
鏡の中にはウンザリした顔の自分の姿がうつっている。確かにルーナに似合ってるし、可愛いんだろうけどさ。
この格好で学校の人達に会うのか…。大大貴族ってだけでも目立つのに、一気に引かれないかなこれ?
「気をつけてね。お友達作ってらっしゃい」
「はぁい」
学校までは馬車通学である。平民でも才のあるものは、入学可能らしく様々な人と関われそうだが。
馬車に揺られて20分程度。馬車は学校の門をくぐり抜けた。おー。たくさん人がいるなぁ。
「ルーナ!」
馬車の扉が開くと、待ってましたとシャルルの声がした。うわー。シャルルかぁ。
ウンザリしながら降り立つと、シャルルが抱きついてきた。
「やっぱり似合うわ!可愛いぃぃぃぃ」
うん。予想通りの反応だ。そうしてクルクル回されていると、リスタとレミットもやってきた。
「うわー。可愛いね、ルーナ」
「お前の母親とシャルルらしいセンスだな」
まぁ派手だよね?分かってたよ。分かってたさ。周りも遠巻きにして俺達を見ている。
この派手な大貴族達を割って入って、友達になってくれる人間はいるだろうか。
その後、各々のクラスに分かれる。俺は担任の先生に連れられ、クラスへと導かれる。10歳前後のクラスらしい。
大体小学生3~4年生くらいかな?だるい。非常にダルい。担任がドアを開け、クラスに入る。それに続くと、一気にザワザワし始める。
思えば転入生は初体験かもしれない。
「皆さん、今日から新しくお友達になるルーナさんです。仲良くしてあげてくださいね」
「ルーナです。はじめまして。よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げた。
ドヨドヨーーと教室内が動揺する。
「ルーナさんは後ろの廊下側の席ですよー」
「はい」
皆の視線が痛い。俺に興味津々だな。ま、転入生なんてこんなもんだろ。
ルーナは気づいていなかった。転入生として目立っていたのではなく、その容姿で目立っていたのだ。
読んで頂いて感謝!感想聞かせて貰えると嬉しみですっ
ご意見や、こんな話になったら面白いなってあったら、教えてください。