5話
昨日、更新する予定でしたが
首痛、腰痛により休んでいました。
ステイホームが続くので皆様もお気を付けください。
僅かな太陽の光が俺を照らしていた。ここに来て最初の朝である。鎖で両手を繋がれているため最悪である。しかし、つるされているわけではないため、腕が痛いことはない。両手も不自由ないため、大丈夫だろう。足腰などには問題ないようだ。長く歩いたために筋肉痛である。
電子的なものを見ていないからか思ったよりも目の奥が痛くない。朝の眠りもよかったように思う。…、そう思うと暇だ。今までスマホを見ていたし。元々、何かをしていなければ不安なタイプであるため、暇なのがストレスになってしまう。まあ、こういったのは良い機会かもしれない。少しは休まないとな。
座禅を組み瞑想を始める。心を無にする意味が分からないが、それでも続けることに意味があるし、何もしないときには暇つぶしになる。少し座禅を組んでいると誰かの足音が聞こえる。…心が無になっていない証拠である。そもそも心を無にするってなんだっけ。
男が座禅について興味深そうに聞いているが、ちゃんとした答えを返すことはできない。あくまでも健康管理のためにやっていたことだから。日本特有のものかと言われたらわからないけれど。
姿勢を正して男の話を聞く。殿下の話は本当らしく準備が足りていない上に兵士の数も足りていないようだ。無理やり徴兵してもよいが、今後の統治を考えればしないほうがいい。だが、戦争には勝たなければならない。
殿下は正当な後継者にあたるようだが、王の周りの側近たちが何か変なことを吹き込んでいるらしい。殿下は年を取ってからの子供だったらしく、王はすでに70歳を超えているということである。足を引っ張っても何もいいことはないのだが、
いきなり戦に駆り出されていく。選択肢がなかったとはいえ…。人生なるようにしかならないけど、本当に今はなるようにしかならない。大きなうねりがあったとしてもまだ、そのまま波に乗るだけの人間である。新たなうねりをつくるか、もしくは止めるような人間にならない限りは…。
腕にはめられている鎖のことを話したが、取るのは難しいらしい。信用のおけない人物は鎖を外すまではいかないということか。戦が始まるまで時間があっても行軍までは時間があるようでないらしい。長くないので待てということだ。
…その通りだな。いつ戦があるのかわからないが、長くても1週間ぐらいの間には何かあるだろう。1週間、俺が何かをやったところで大した訓練はできない。ただ、筋トレぐらいはした方が良いのだろうな。
男が退出した後に筋トレを始めた。戦場ではいきなり戦いが始まる。悠長にストレッチをしている暇はない。腕立て伏せをしながら、深呼吸を行う。呼吸法として様々なものがあるが、ここに来て心が乱れすぎていると思っている。出来るだけ無心になるように深呼吸を行う。ゆっくりと息を吐きながら屈伸を行う。上下の動きは剣や槍を避けるために必要なものだ。運動してこなかったつけが来たのか、すぐに足が張ってしまった。剣や槍などを持って振ってみたいが、そもそもここにいる間に渡されるとは思えない。鎖で怪我をしないように反復横跳びを行う。まずは地道な筋トレを続けるのみだ。