表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【旧】無口な異世界転移者が大将軍に成り上がるまで  作者: かかと
サエルガマズ滅亡編
289/301

外伝ジャック・ロイの戦い~サンドラ~⑤

 …フォン将軍というのは掴みどころがない人間と聞いていたのですが、そうでもないようですね。配置を見てもそこまで特記な特徴があるわけでもありません。基本に忠実なように見えます。ただ、何かを隠しているという感じは見て取れます。そもそも、フォン将軍は攻めの将兵と聞きますし。問題はコーリン将軍の方です。ジャック・ロイを尊敬しているメッシュはどうしても攻撃に転じてしまうところがあります。今回の戦いでは山を先に占領し、多少なりとも罠や小城を作っている我々が有利です。どんな好機でも攻めに転ずる意味もありません。


 だからこそ、両翼の働きが重要になってきます。ハーグ将軍に関しては守りの将兵ですから無理に攻めてくることはないでしょう。フォン将軍の存在がある限り、安心することはできないのです。ここで止めなくてはいけません。すでにフォン将軍の位置は捕捉できています。さて、こちらが簡単に抜けると思わないでくださいよ。


 徐々に進んでいく兵たちを見ながらフォン将軍の動きを見ていますが動きはありません。何かを狙っているという訳ではないようです。油断はできないですが、前へ軍を進めます。フォン将軍をちゃんと捕捉しながらも戦力を削っていかなければフォン将軍の脅威がぬぐえません。


 作戦通りに行かないことも分かっています。そもそも私はそこまで綿密に考えることをしない。あくまで概略を考えて実行しながらそのまま相手を混乱させて戦います。コーリン将軍と似ていると言われているが、そこまで似ていないと思っています。コーリン将軍はもう少し考えているはずです。それに私と違って彼は作戦の立案まで行っている。あくまでも私の戦い方もできるということです。


 前線がフォン将軍の兵士とぶつかります。…少しおかしいですね。フォン将軍の兵士たちが積極的に前へ出ていないように見えます。この押していきましょうか。右翼の千人を走らせます。どこへでも行っていいですが、旋回するため余力を残しておいていただかないと困ります。左翼は後ろからゆっくりと前進させます。フォン将軍はそのまま前線を維持させたまま本陣の守りを固めています。…どういうつもりでしょうか。副官も少し首を傾げています。


 あのままでは本陣が潰れてしまうのではないでしょうか。いかに我々の兵が1万と少なくとも相手の本陣はもっと少ないように見えます。その上で挟撃の状態です。このまま押し切れば勝つことができるかもしれません。中央から5千ずつ左右に兵を追加で送ります。フォン将軍の兵士が中央に4万5千人。我々は8万人。どう考えても勝てるような雰囲気ではないのですが…。ん、僅かに中央に動きがありましたか。何を…。追加で1万ずつ左右に振ってください。早く。やってくれますね。フォン将軍。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ