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【旧】無口な異世界転移者が大将軍に成り上がるまで  作者: かかと
サエルガマズ滅亡編
242/301

7話

 上官の号令で良く命令や計画は崩れていく。上官も予定外のことがあれば仕方ない。その想定外に合わせて計画を練り直す。そして下の部下たちは必死こいてついていく。それだけ。しかし、まさかこのタイミングで合同演習とは。


 この合同演習がコーリン将軍の本隊、そしてフォン将軍との合同演習。内容は聞かされていないが碌でもないことになることくらいは分かる。イーリンは少し青い顔をしているし、レイも同様だ。ファウストはすでに諦めているし、セドリックに至っては思考が停止している。セドリックはどうしても事務方の印象が強く想定外の出来事に弱い。その弱い部分をレイがうまく調整している。


 イーリンが合同演習の話を兵士たちに伝えているがよくわかっていないようだ。それもそうか。ミルコ以外は分からないだろうな。合同演習はもちろん、訓練であることは間違いない。どうしても隊同士の訓練を続けているため馴れ合いや癖などを見抜いてしまうことが多々ある。癖はしょうがないとしても馴れ合いは戦場に出た場合死に直結する。その馴れ合いの解消のために合同演習を組んでいく。合同演習が1軍だけではそれだけで終わることも多い。しかし、今回のようにフォン将軍ともやるとなれば連携を兼ねた訓練となる。その連携訓練は年に数回しかない。特に今回は1年にも満たない間の練兵中。この訓練である程度作戦の骨子を決めるはずである。


 下手をすれば変な場所への配属なんてこともありうるのだ。だから、みんなそれぞれ複雑な心境になっているわけだ。ミルコも話を聞いて分かったようで顔を青くしている。それはそうだろうな。まだ、兵士としてもまだまだだが、それ以上に隊としてのまとまりがようやく出てきたくらいである。そんな状態で戦ってもまともな戦闘ができるとは思えない。ようやく5人1組で戦うことを覚えたくらいなのだ。他の兵士はいつもの訓練と変わらないと思っているのだろう。いつも走らされている訓練とは違う。それが分かることだろうな。


 翌日、兵士たちとともに合同演習場へ行ってみると両軍1万人以上の兵士がいる。昨日から特別訓練を行っていると言っていたが、想像以上に本気の訓練だ。救急のテントを張っている。訓練とはいえ重傷者はかなり出るからな。戦術だけではなく、長期間の戦闘を考慮した訓練になっている。俺たちは援軍としてきたという設定かもしれない。


 コーリン将軍が俺たちの方に来た。俺たちは敬礼して迎える。普段は敬礼などしないが、今は演習場で訓練中だ。面倒は避けたい。コーリン将軍はその敬礼に頷き、俺とイーリン、レイを呼んだ。


 今回の合同演習は全部で1週間。戦い続けるらしい。そんな訓練聞いたことがないのだけど。負けている方から考えれば地獄じゃないか。イーリンもレイも顔を青くしている。この千人の援軍が重要になってくるということか。コーリン将軍もまともな隊になっていないことは分かっている。ただ、戦場ではそんな甘えは通用しない。以前の隊の作戦であるフォン将軍の首を取って来いということだ。戦術などは全て任せるということである。本当に遊軍としての動きを求めている。


 しかし、現状では判断がつかない。どのような戦いになっているのか見極めてからだ。


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