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外伝 ハグーの戦い~ハーグ~

 コーリン将軍の戦線復帰が望まれますが、前日のワカトシの負傷は大きかったのです。ワカトシの武力があれば、兵数は少なくともどんな防御の陣も抜いてくれるという安心感がありました。もちろん、単独でというのは無理ですが。それにあの百の精鋭兵がワカトシを狙っていたということはワカトシのことをアミールが把握しているということでもあります。


 ワカトシ自身の武力はまだそこまで広がっていませんが、コーリン将軍の弟子として有名です。強大な敵になる前に倒しておこうと考えたのでしょう。残念ながら彼を完全に討ち取るまでにはいきませんでした。コーリン将軍の例がありましたからね。コーリン将軍の兵士たちも簡単には殺させないでしょう。それにワカトシが死んだ場合、コーリン将軍の弟子はもういなくなるでしょう。


 ワカトシは無口であまりしゃべることがありません。だから、ワカトシは自分の評価を知らないでしょう。ただ、コーリン将軍はワカトシのことを話していますから、それなりに伝わっているのです。今回も精鋭兵を相手に長い間戦っていましたし、イーリンの話では自分の状況が分かっていればあそこまでの深手を負うことはなかったと言っていました。経験が浅いとどうしても判断を誤ることがあります。仕方のないことです。


 医者がいうにはすでに峠を越えているようですし、死ぬことはないだろうということでしたが、後遺症がないと言い切れません。ワカトシの場合は出血が多すぎたようです。あまりに出血しすぎると臓器や頭に障害が起きることは分かっていますからもう少し時間が経たなければわかりません。コーリン将軍は大丈夫です。1週間以上は絶対安静ですが。


 貴族の軍は昨日のことで調子に乗っていますね。我々はあなた方が怖くて戦闘を止めただけではありませんよ。コーリン将軍とその弟子が負傷したことで指揮系統が混乱することを恐れただけです。さてと、右翼のギュンター帝国の軍はうまく動いています。おそらく、今日は精鋭兵が出てくることはありません。もしかしたら、昨日のうちに撤退しているかもしれませんね。多くの兵士に目撃されていますから、ある程度予測がつくでしょう。そして、戦の状況を変えることができる兵士は私しかいません。クレアもまだ、早いでしょう。イーリンもそこまでの武力はありません。ならば、私を狙うかと言えば無理です。


 流石に百人で本陣を落とすのは無理です。貴族軍が本陣まで迫ることができれば私を討つことができるでしょう。私も武力があるわけでありません。陣も敷いていますから簡単にはいきません。コーリン将軍とワカトシは運が悪かったのです。あの2人ならばみすみすやられることはありませんでした。


 前方から歓声が聞こえています。貴族の軍は本当に扱いやすいですね。別動隊が横から食いつく絵も想像できないのですか。もう終わりにしましょう。2人を少し休ませる必要もありますしね。


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