53話
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まだ、内乱も終わっておらず、いつまで続くのか、
考えながらいそいそと書いています。
面倒かと思いますが、感想もお待ちしております。
翌日、敵兵はだらだらと配置についている。しかし、軍の練度でここまで差があるものだろうか。あまりの勢いのなさに愕然とする。少なくともこんな軍には負けないと思ってしまう。そう考えれば今回の隊の運用については試すにはもってこいの戦いである。しかし、先程から部下の話し合いの声が聞こえる。イーリンの方を見るとほっておけとの合図だ。最終確認なのだろうから大丈夫だろう。
コーリン将軍が前に出る。戦いが始まる。
3日ほど経ち、戦はコーリン将軍とハーグさんの連合軍の優勢で推移している。敵の兵数が3万ほどであるため長い時間かかっているが、本来ならもう少し早く終結させていてもおかしくない。明らかに貴族たちのやる気がなく、士気も下がっている。それでありながらも軍が崩れていないのはワルダーという貴族の存在だ。彼は貴族の中でも名家であり、長年陛下を支えてきたことでも優秀らしい。この戦いに出てきた理由がわからず、コーリン将軍もハーグさんも混乱しているようだ。
コーリン将軍はアミールを倒した後の貴族の取りまとめをワルダーに任せようとしていたらしい。戦から長く退いているものの全盛期にはコーリン将軍とともによく出陣し、よく戦果を挙げていたそうだ。特にうまいのが後方支援であり、コーリン将軍やフォン将軍も若い時にはお世話になっているようだ。後方支援のやり方は全てワルダーから教わったらしい。
そんな貴族の兵士は練度も高く忠誠も高いため簡単に崩れることはない。しかも今回の2千の兵士は全て直下の軍であるため、簡単には抜くことができない。コーリン将軍はワルダーを捕らえようとしているのが分かる。本当ならばワルダー隊にのみ軍を集中させれば敵軍が崩壊するはず。俺でも気が付いていることをしないということは戸惑っているだけである。戦後の処理のため無能な貴族を排除しておきたいのは分かるが、今はやりすぎである。
6日目の出陣時、コーリン将軍の配置は大きく変わっていた。明らかにワルダーと戦うために多くの兵数を割いている。俺とイーリンはハーグさんに呼ばれた。実は最初の戦い以降はギュンター帝国の軍を投入していない。あくまで温存という形をとっていたが、一撃必殺の仕事をするために見極めていたらしい。なので、俺たちもようやく2日目の戦いである。
なるほど、コーリン将軍の軍が前方に引き付けている間に全軍でワルダー軍を…。全軍か。8千ほどの軍を1千5百ほどの隊に当てるということか。それだけ、この5日間の戦いでワルダーを評価しているということになる。
…コーリン将軍は大丈夫だろうか。いかに戦争といえ、以前の師に当たる人を倒すというのは…。イーリンが俺の肩に手を置いた。考えても仕方ないか。しかし、内乱というのはあまり良くないものだと思う。
ハーグさんの合図でファウストの軍は出陣した。




