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43話

 後ろから兵士が追ってくることはなかった。クレアよりもビルの粛清が先である。まずは貴族のことを片付けるのだろう。そもそもクレアはまだカーソンの部下であるため捕まえる必要もないだろう。しかし、ビルが何かするのであれば捕らえるしかなかったのだろうな。いろんなところから情報があるだろうから、俺とイーリンのことも知っているはずだ。


 …、砂塵が見えるな。動物の群れとは考えにくいからあれは軍なのだろう。カーソンがもう集めたのか…。そこまで早く動くことができるものだろうか。少し考えるが、イーリンもとりあえず迂回することにした。もし、ここで捕まったらビルの思いが無駄になる。


 コーリン将軍の軍が先に見える。僅かに4日ほどしか経っていないぞ。そして、コーリン将軍の不明な軍は激突した。俺たちは急いでコーリン将軍の本陣へと向かう。しかし、ハーグさんの本陣がない。どうしたのだろうか。


 コーリン将軍の本陣へ行くとコーリン将軍が険しい表情で立っている。コーリン将軍はクレアに前線の指揮を頼む。クレアは簡単な準備をして現場に向かう。俺たちは地図を見せられた。マットを中心とした地図である。地図の周りには多くの×の印がつけてある。このすべてが敵の手に落ちている街である。4つの街を除いてすべて敵の手中にあるという。コーリン将軍はこの状態がおかしいと思っている。反乱自体はアミール宰相によるもので分かっているはずなのに他の貴族が全て敵に回るのは異常であるらしい。


 しかも、敵軍の正体がわかっていないらしい。兵数は1万人程度。しかし、こちらの兵数が6千人で少なく、そしてカーソンの軍とは違い統率が取れているということである。コーリン将軍はこの軍を見たこともないため、敵の練度を測っている。クレアからの伝令はない。手一杯ということだろう。


 俺たちも現場に行こうと思ったが、コーリン将軍に呼び止められた。最悪の想定をするようにと言った。今までコーリン将軍からそのような言葉を聞いたことはなかった。後手に回っていると言え、そこまでの危険度があるのか。


 コーリン将軍とともに出た時には大きな旗が掲げられている。剣と矛が交差した国旗だ。今まで見たことがない。あれは別の国の国旗だ。


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