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第1章 1
イルは、家族のいない孤独な少年だった。
毎朝太陽が昇る前に少年は目覚める。
家の横の小川で顔を洗い、パン屋で買った売れ残りの一番安い固いパンと幼馴染にもらったヤギのミルクを飲み少年の1日は始まる。
彼の父は偉大な冒険者だった、壁にかかっている折れた剣は父さんが残してくれた形見だ。
いつの日か父さんみたいな偉大な冒険者になるのが少年の夢だった。
イル「ご馳走様でした・・。」
まだ食べたりないのか不満そうに少年はご馳走様をした。
イル「父さんまたしばらくお別れだね。」
少年は折れた剣にそう告げ家を出た。