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第九十七話 現場確認と打ち合わせ

オーナーであるジュグレさんは仕事の依頼について話しだした。


「その前に少しだけこの店に付いて話をしましょう。今はレストランと時代に合わせた言い方をしていますが、もともとは料亭として創業し、今年で500年になります。料亭の格式は守りながら私で10代目に当たります。今まで王室や多くの貴族の方にご利用頂いている事も有り1000人規模の舞踏会も余裕で出来る広さの会場も有ります。庭を開放すれば3000人規模で開くこともできます。もちろんこの部屋のような個室や更に小規模の個室も有りまして、客席だけのフロアも合わせると150室は在ります」


「150室ですか……」


「はい。店の規模としてはこの国一番の規模を誇ります。過去は分かりませんが、現在、個室の稼働率はおよそ4割ほどです。そして大広間の稼働は年にして10回ほど……。正直、建物の老朽化や貴族の方が自身の屋敷でパーティーを開くようになったこともあり客足が減っていると考えています」


「……」


「そこで、チョコラ殿にお願いが有ります。この店丸ごと掃除……いえ、復元して頂きたい。そして創業500年の記念パーティーを開こうと考えています。どうかお願い出来ないでしょうか」


依頼の規模に驚いたし、初めに引き受けると返事をしていたことに後悔をした。だけど今更断れないから店を見せて貰う事にした。


「はっきり言えませんが、この店だけを集中して出来ないので半月強は掛かるかもしれませんが良いでしょうか?」


「構わんよ。その間は店も休むよていですし、従業員達になかなか出せない長期休暇を出してあげられる。逆に喜ばれるかも知れませんな」


そんな話をしながらこの時に使われていない部屋を中心に回った。

感想としてはどの部屋も手入れは十分にされていて使われている金とか銀がくすんで居たり椅子やテーブルに年季を感じさせる傷が見られたが、それはそれで味が有るように感じたがジュグレさんは

骨董が嫌いなのか分からないけど、「華やかさに欠ける」と愚痴をこぼしていた。


店を一通り回った後は厨房など裏の施設を案内してもらった。思った通りと言えば良いのか、表舞台が綺麗な分、裏は手が回らっていないって言うか、かなり老朽化が進んで居た。


「どうしてもお客様の目に着くところばかり手を加えていまして、裏は酷いものでしょう。そこのお店も似たようなものでしょうけど……」


「……」

「そうそう。タージの店を訪れた時、厨房があまりにも綺麗だったに驚いてしまい、チョコラ殿の事を聞いた次第ですよ」


「そうだったんですね……」


その後、従業員の休憩室や仮眠室。寮になっている所も見せて貰い初めに通された部屋に戻ってそこで最終的な確認事項など話し合い、何かあった時に対応してもらえるようにお店の方から立会人を一人付けてもらう事にしたらジュグレさんが周りの反対を押し切って直々に立ち会う事になった。


『おい。何時になったら飯が食えるのだ』

『ピーピー(レーちゃんも楽しみなの~)』

「あのねぇ……」

「おぉ~ これは気が付きませんで……申し訳ない。チョコラ殿と神獣様方にお食事をご用意しなさい」

「……知っていたんですか?」

「それは。客商売をしていますと諮らずとも色々な事を耳にしまして……」


指示を受けた執事は部屋から出て行ったが、俺は恥ずかしくてしょうがない。


「すいません……ご迷惑をお掛けします……」

「いえいえ。お気になされず。試食だと思って当店の味を楽しんでください。神獣様達も遠慮なく食べて言ってくださいな」

『我はそれを楽しみに来たのだ』

『ピー(レーちゃんも~)』

「目的は下見だから……」

『それはお主の目的だろうが……』

「ほほほっ……神獣様は正直ですな」

「意地汚いだけです…… ホントすいません……」


テーブルに並べられた料理はどれもが豪華で一生お目に掛かれない様な料理ばかりだった。


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