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第九十一話 そうだ手紙を書かなくては・・・

おじいさんの訃報からしばらく。気持ちが落ち着いた頃にルーバからの忠告があった。


『おいチョコラよ。実家に手紙とやらを書なくて良いのか? 先日も母殿から届いておったろうが』


そうだった…… 毎月手紙を出すように父さんに言われてたんだった。忘れてた。ルーバよ。思い出させてくれてありがとう。


先日届いた母さんからの手紙には「今度はいつ戻って来るの?明日にでも戻ってらっしゃいな」とだけ書かれていた。母さんの手紙はいつも1~2行。とにかく用件だけしか書いてない。分かりやすいと言えば分かりやすいが、他に書く事は無いのかとツッコミたくなる。だが、元から書かない俺に言われたくないと逆にいわれるか……。

しょうがない。寝る前にでもサクッと書いて明日出しに行けばいいかな。


夕飯も風呂も済ませてからそれでは書くかと、いざ便箋を前にしても何を書いて良いのか分からない。まぁ、今まで貰いはするけど書いた事が無いのだ。いきなり書けと言われてもなぁ……って自分に言い訳をしていておもった。一行すら書けない俺より一行でも書ける母さんは凄いと。何とも低レベルで情けない話だ。


『チョコラよ。さっきから見てるだけで全然進んでないぞ』

「うるさいな。いま書くことを整理してるんだよ……」

『早く書かないとそろそろ陽が昇るぞ』

「ルーバこそさっさと寝たら」

『お主のこの笑える場面を見逃せるか』

「……」

『ほれ、さっさと書かんか』


ルーバめ。覚えてろよ。と心の中で悪態を吐きながらなんとか書き始める。



書き終わったのはルーバに言われてムッっとした夜明け過ぎになってしまった。まさか手紙を書くことで徹夜するとは思いもよらなかったが、王都に戻ってからの近況報告みたいになったけど、母さんみたいに一行だけで終わらせることはしなかったぜ。


ただ、文脈が支離滅裂。とても人に読ませられるようなものではないから教えないけど、こんなに手紙を書くことが難しかったとは思いもしなかった。これが毎月やらねばいけないのかと思うと気が重たくなった。

そして徹夜明けの疲れか書き終わった安心感からか急に眠気が襲ってきた。

少しだけ寝たらこれを出しに行こうと思っているとレーちゃんが起きて来た。


『ご主人様。おはようなの』

「おはよう。レーちゃん」

『あっ、お手紙書けたのなの』

「うん。やっと書けたよ」

『これ、レーちゃんがお母様のところまで届けるのなの』


そういうと手紙を咥え、レーちゃん専用の窓から飛んで行ってしまった。


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