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第七十七話 これもお約束ってやつですか??

勲章騒ぎで表からは家に入れるような状況では無いようなので、牛小屋がある裏から入ることにした。

殿下は「綺麗な家ではないか」と感心しているけど、建てたのでは無く、掃除をしたばかりだと説明しておいた。


家に入り、殿下にお茶を出したところで別荘の話を問いただすことにした。


「殿下。この村に別荘など建ててどうするんですか?」

「それはですね、影の話だと……」

「やっぱり付けさせていたんですね」

「それは……一月以上も帰って来ぬチョコラ殿が悪いとおも…う…」

「どうして俺が悪いんですかね?」


そのあと、色々な言い訳をいていたが、問い正したところ俺が帰郷すると村の修繕に時間がかかり、なかなか王都に戻れなくなったと影からの報告を受けた殿下がそれなら自分が出向けば良いのだと言い出たけど、そこでも影からは村や周辺には宿も無く殿下が滞在するのは不可能だと言われたことで、それならば別荘を建ててそこに滞在すれば問題は解決すると言う事で決まったらしい。


「それって、俺が帰郷するたびに殿下が付いて来るって事だよね……」

「何か問題があるのですか?」

「王宮での仕事はどうするんですか?」

「問題はありませんよ。その間は国内視察という仕事の一環で来る事なっております」

「…………」


平民の俺には王族の思考は理解できないことを改めて感じていると、ふと思い立ったことがあった。


「ところで殿下。今夜はどうされるのですか?」

「もちろん滞在中はこの家に泊めてもらうつもりですが何か?」

「いや、泊められる部屋が無いから……。俺でも居間で寝てるんだよ」

「居間とはこの部屋ですね。ここで寝るのですか……楽しそうですね」

「さすがにそれは出来ませんから……」

「それは残念です」


外の騒ぎが収まったのか、両親が戻って来たので殿下の部屋をどうするか相談する事にした。

結論からいうと、兄たちの部屋を殿下に使ってもらう事になった。では兄たちはどうしたかと言うと、ロンじいに頼んで部屋を貸してもらう事にしたのだ。一人暮らしのロンじいは「賑やかになるわい」と二つ返事で了解してくれたお礼で夕飯に誘ったら「王太子殿下と食事など緊張して喉に通らんわ」と断られた。


夜も更け殿下に一緒の部屋で寝ようと誘われたが、さすがに断った。それこそ緊張で寝られない。


翌朝、殿下は村長と一緒に村の視察と称して別荘地を探しに出かけた。その間に俺は家の掃除だ。

あと4軒終わらせないと殿下を連れて王都に戻れないからね。


数日して殿下は別荘をどこに作るか決めたらしく、村の入り口に待機させていた護衛に指示を出したようで、早々に作業が始まった。


俺の実家のすぐ横で……


殿下曰く、「この場所ならチョコラ殿の家も一緒に警護が出来ますからね」


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