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第七十五話 仕方がない。魔除けを出すか……

貴族だから言えば何でも通ると思っているのだろうか……。いくら断ってもだんだんと脅しめいた言葉が多くなってきた。


「わかりました。俺も生業でクリーニングをしていますので対価は頂きますよ」

「してどれ程だ」

「領主様の屋敷でしたら金貨300枚です」

「何だと! それは吹っ掛けすぎだろ!」

「いえ、国王陛下とアウロス公爵様の依頼を引き受けた時には金貨500枚を頂きました、領主様には格安の対応をさせて頂いております」

「…………お前如き平民に陛下や公爵様が依頼を出すわけがない。王家侮辱罪で死罪にも出来るんだぞ」


う~ん……ここまで言っても引かないのか…… しょうがない。魔除けに頂いたアレを見せるか……


「チョコラ殿。お久しぶりですね。遊びに来てしまいました」


いきなり聞き慣れた声が耳に入って来た。


「殿下! どうしてここに居るのですか?」

「一月経っても帰ってこないので。こちらからやって来ました」

「よく場所が分かりましたね」

「……それは……タ…タージ殿に聞いたのです。そう。そう言う事ですよ」

「……付けさせましたね」

「何のことですかね??」


ほんと困った人だ。


「ところで、何をしているのですか」

「誰だいきなり割り込んで」

「これはこれは。ヘラルド子爵ではないですか」

「……王太子殿下……」


王太子殿下と聞いて集まっていた村の人たちが傅いた。


「5年振りですかね。お元気そうで何よりです」

「殿下がなにゆえにこんな村まで……」

「わが王家の親友に会いに来て何か問題でもあるのですか?」

「この者が殿下のご親友ですと??」

「違います。王家の親友です」

「王家の親友……」


あちゃ~~ 内緒にしてたのに…… でも、俺も魔除けを出そうかと考えていたからまぁ良いか……


「チョコラ殿。いまアノ勲章はお持ちですか?」

「いえ、大事な物なので家に置いてあります」


家と言っても実家だけどね……。王都での生活を問い詰められたときに家族に見せてそのまましまってなかったことを思い出した。


そして、さらに殿下は爆弾発言をした。


「しかし、ここでヘラルド子爵にお会いできて幸いでした。国王陛下より勅令が出されております」

「勅令ですか?」

「そうです。ここで読み上げますね。『王命。我が王家の親友であるチョコラ殿の両親が住むキャサル村及び、その周辺10キロ四方を王家直轄領とし、代替え地を別途与えるものとする。なお、この勅書の発効は貴殿が受け取った日からとする』という事です」

「なんと!」


陛下の勅書を手渡すと、さらに殿下が言い放った。


「ところで、子爵。我が領民のチョコラ殿にどのようなご用件が有ったのですか?」

「…………もう結構です」


そう言うと領主さま……元領主さまは帰って行かれた。


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