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第七十一話 村の人にも頼まれました

「どうなってるの?? どれもこれも新品みたい」


かあさんの驚いた顔は見ものだった。目が落ちそうなほどに開いてたからね。


「これ……チョコラがやったの?」

「そうだよ。王都でクリーニング屋をしてるって昨日説明したでしょ」

「聞いたけど……服だとばかり思ってたわよ……」


それからキッチンで作業。朝食後には食器を洗うと欠けとかヒビ割れも元通り。

父さんや兄さんたちも綺麗になっている居間をみて感激していたから、それぞれの部屋もしようかと聞いたら「ぜひ頼む」と言われたので、畑仕事に出かけるのを見送って両親の部屋から取り掛かった。

ベットから布団を剥がし、布団を洗濯。これは同じ作業なので兄たちの布団も一緒に洗った。

土魔法で大きな水溜を作り、水魔法で石鹸水を作り布団を入れ漬け置きしてから踏洗いをする。

綺麗になったところで濯いで水切り。仕上げに火魔法と風魔法で乾かして完了だ。


自分が使った布団を入れると5組となるのでそれなりの時間が掛かったが、ふっくらフカフカで肌触りも良くなった感じがした。それから部屋を丁寧にブラシで擦ったり布で拭いたりと綺麗にして行った。兄の部屋も終わる頃には昼になっていて、父さんたちが畑から帰って来た。


「部屋の掃除は終わっているからね」と伝えるとそれぞれの部屋を見に行って戻って来た。


「チョコラ凄いぞ。ボロボロだった部屋が見違えてたぞ」

「布団もフカフカで新品のようだった」

「いったいどんな魔法を使ったんだ。教えろよ」


父さんも兄さんたちも凄く喜んでくれた。6年も音信不通にしていたお詫びにと始めた事だが、これだけ喜んでくれるなら外壁や屋根、牛小屋に納屋までも丸ごと全部綺麗にしようと心に決めた。



昼ご飯を終えるとさっそく屋根に登り作業を始める。所々に生えている草を抜き、苔を取り除く。石鹸水を掛けデッキブラシで磨いていくと風化して割れそうなところも復元されていく。終わったあとは吹き替えたかのような屋根になった。その後。外壁をしている途中で日が暮れたから続きは明日することにした。


父さんたちも今日の仕事を終えて帰って来たので、家の中でも出来るからと農具の手入れもしてあげた。堅い石などで曲がったりした鍬の先も創造神の加護を受けてからは今までと違う復元と補強がされるから今までよりも使いやすく長持ちするはずだ。


翌日、父さんと兄さんが「昨日までと鍬の入りが違う」と喜んでくれたのが嬉しかったけど、これも頼めないかと廃棄を考えていたという農具まで目の前に置かれたよ。

もちろん断るつもりは無いから全部を引き受けたからその日は寝るのが遅くなってしまった。


その後は二日を掛けて牛小屋と納屋。家の周りにある柵も綺麗にしていったら、俺が見ても住み慣れた家とは別の家がそこに有るかのようだった。


その日の夜、父さんとかあさんは家が綺麗になったお祝いだと言って近所の人を呼んだ。


「これみんなチョコラが綺麗にしてくれたのよ~」

「まるで別の家に居るようだろう」

「凄いな……」

「そうだろそうだろ」

「チョコラよ。ここまでするにいくら掛かったんだ?」

「えっ? ただ綺麗に掃除しただけだよ……」

「なに! 掃除しただけ?? 何も交換しておらんと言うのか!」

「そうだけど……」

「……頼む。俺の家もやってくれんか」

「ワシの家も頼みたい」

「俺の家もお願いする」

「…………」


結果、父さんたちが自慢したために今夜集まってくれた人みんなにお願いをされる事態となった。


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