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第七十話 実家をクリーニング

食卓に並んだ料理はどれもが俺が好きだったもので、豪華ではないがすべてがご馳走だった。


食事中の話はそのほとんどが俺への質問ばかり。食べながら答えていたのでつい口を滑らしたのまであった。その最たるものが王様から勲章を貰った事だ。だって、「王都に居るのだから王様も見たことあるか?」って聞かれたから「話したことも有るよ」って言ってしまったのだ。あとから見た事有るって訂正したが遅かった。そこからは王様の話ばかりで結局、『王家の親友』という称号を貰った事を白状してしまったのだ。


『おい、チョコラ。我らの飯はどうしたのだ』

『ご主人様。レーちゃんもご飯食べたいなの』

「ごめんな。いま用意するよ」


空間収納から二人のご飯を取り出してやった。


『ありがとうなの』


このやり取りを見ていた兄が「おい。この犬と鳥はしゃべれるのか」と聞いて来た。

ここは変に誤魔化してもボロが出ると思い、正直にその経緯から真相を話した。


「すげぇ~ 神獣なんて初めて見たよ」

「俺もさ。こっちの鳳凰なんて言われないとモズにしか見えねぇよ」

『チョコラの家族の者よ。しばらく世話になる』

『よろしくなの~』


両親なんて言葉も出ないくらいに驚いているらしい。


『母さま。これあげるなの』


レーちゃんは羽を一枚抜くと母さんに渡した。いきなり渡されても使い方も分からないだろうと実演を交えて怪我が直ぐに直せる羽であることを教えてやった。


「レーちゃん。こんな凄い物を貰ってもいいのかしら……」

『お世話になるお礼なの』

「レーちゃ~~ん。良い子ねぇ~~~」


どうやら母さんはレーちゃんに嵌ったようだ。



翌日、今までのお詫びにと家中を掃除する事にした。家中と言っても田舎の家だ。そんなに広くはない。母屋は居間に両親の部屋と兄の部屋。これは共同で使っている。それにキッチンだ。あと牛小屋と納屋、それとご不浄が外にある。この村では標準的な造りになった家だ。


掃除は居間から始めることにした。まだみんなが寝ているからね、余り音を立てないように……


『修復機能を発動します』


創造主様の加護を頂いてから、意識してチートを発動させることが出来るようになった。それまでは無意識に発動されていたようで、空耳と思っていた声がチートを発動するときの声だと気が付いたんだよね。


テーブル・イスと石鹸水で拭いあと水拭きをすると新品のようになった。それから壁と床も磨いていった、その結果、真っ黒だった壁も床もほど良い風合いだけを残した茶色へと変わり、こちらも新築した感じになった。


居間の掃除が終わったころ母さんが起きて来た。


「なに? どうしたの?? 部屋が綺麗になっているわ……」


どうやら一気に目が覚めたようだ。


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