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第五十六話 神様からのお礼

今回の問題も解決し、安堵して居る処に神様からの声が聞こえた


『此度の礼をしたい。何か望みは有るか』


急に聞かれても思いつくはずが無く、しばし考えた。正直にいうとお礼など要らないんだけどね。

だけど、即答するのもどうかと思ってしまったのも事実。そんな余計な事ばかりを思っていたら良い事を思いついた。


「それでしたらお願いが一つございます」

『なんなりと申せ』

「ありがとうございます。早速ですが、横に居ますシルバーウルフですが、実は神界の住人なんですが、護衛中に起こった異変で人間界に落ちてきたそうです。それで戻り方を聞いたら、神界からの迎えが来るか、功績を積み、道が開くのを待つかしかないそうです。そこでお願なのですが、このシルバーウルフを神界に戻してあげて欲しいのです」

『チョコラ、何を言うか。我は自力でも良いのだぞ』

「もともとご神木と気が付いたのはルーバだよ。だからルーバがお礼を受け取れば良いんだ」

『それは違う。我は助言しただけ』

「良いんだよ。神界に戻れるチャンスだ。それを活かさないでどうするんだ」

『暫しまて』


神様に言われしばらくすると再び神様から声が聞こえた。


『確認を取った。そなたが護衛をしていた神よりの言付けだ。探せなくて申し訳ない。そなたの日頃の任務には感謝をしている。そなたが承知の通り現状では迎えに行けぬゆえ、神界の道を空ける鍵を託す。これを使えば何時でも戻ることが出来る』


そういうと一本のカギをルーバに渡した。

これで神界に帰るんだね。善かったと思う反面、少し寂しさを感じた。


『何を不安顔しておる。我は今しばらくお前の傍らにいるぞ。人間界も思いのほか楽しいからな』

「そうなの? でも神界に戻りたかったんじゃないのか」

『これからは何時でも帰ることが出来る。いつ帰れるか分からん今までとは違うからな』


そんなルーバの言葉に嬉しさを感じてしまう。一人でいる寂しさは慣れていたと言ってもルーバが来てからその寂しさは忘れていた。正直、あの頃には戻りたくなかった。


そろそろ公爵様の馬車に戻ろうかと再度、敬意の礼を取ろうとした時、神様が言われた。


『シルバーウルフが申しておったがその方はチョコラと申すか』

「はい。チョコラと申します」

『では、その方に我より加護を与えよう。受け取るが良い』

「ありがとうございます。お心使いを感謝いたしますが、ルーバの為にお力添えを頂きましたのでそれで十分でございます」

『シルバーウルフはもともと神界の者。しかも任務中の事故である。それに手を差し伸べるのは神界の者の責務である。礼には入らん』

「そのお言葉だけで十分です」

『では、我から押し付ける事に致す。これは教えだ。謙虚は美徳ではないぞ。互いが気持ちよくこの場を収める為に相手の心情を汲むことも必要だ。過剰な遠慮は相手を不快にさせる。覚えて置け』

「わかりました。お言葉ありがとうございます。それでは、遠慮なく御神様からのご加護を受けさせて頂きます」

『そうせよ。我が名は、ロメーロ。自然界の生を司る者。其方には我が名を呼ぶことを許そうぞ』


こうして今回の神罰事件は幕を閉じた。


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