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第五十二話 依頼主は意外なお人

俺に護衛?が付いてからも監視の目が消える事は無かった。2日後には公爵さまとの約束があり店を空ける。それまでに解決してくれないとティアが付いて行くと言うに決まっている。なにせ事あるごとに「任務ですからお傍を離れる事は出来ません」とくる。仕事熱心なのは良いのだけど俺の心が落ち着かないのだ。


そんなおり、またしても王太子殿下がお忍びでやって来た。そしてティアをみつけると訝しげな顔をした。そりゃそうだそう近衛隊の者が俺の仕事を手伝っているのだ。


「ティアではないか。ここで何をしている」

「殿下。ただいま特別任務中です」

「どういうことだ」


ティアが話辛そうにしていたので俺が代わって今の状況を説明した。殿下が表に行きその監視をしている者達をそれとなく確認していたかと思ったら何かを思い出したように監視員の所に行くと何やら話をしたと思ったらそいつらを連れて戻ってきた。


「チョコラ殿。こいつは父上直属で影の仕事をしているやつだ」

「「陛下の!」」

「たぶんこいつらに聞いても話はしないだろう。直に父上に聞くのが一番だな」

「「「殿下。それだけはご勘弁ください」」」

「任務に失敗したと知れたら女房子供が……」

「そうです。私の家族も……」

「どうかお見逃しを」

「……おまえら独身だったよな。いつ子供が出来たんだ??」

「それは……昨日です!」

「子持ちの人と結婚しました」

「という筋書きではダメでしょうか……」

「「あほ!」」

「コントは終わりか……」

「「「…………」」」


そのあと、観念したかのように監視の理由を話しだした。それは公爵家が俺に接触し、自領に連れて行かれ、3日後に無事に戻って来たと騎士団からの報告を受けた陛下が貴族とは極力関わりたくないと言った俺を案じて護衛を兼ねた監視を命じられたと。


正直、気が抜けた感じだった。まさか陛下だったとは……

一言言っておいてくれたらこんなに大騒ぎをしなくて済んだのに……


さて、問題も解決したことでティアさんには近衛隊に戻ってもらうように伝えると「陛下が懸念されている公爵家の事が解決しておりません。それまではお傍に居ります」とけんもほろろだった。


俺は陛下に手紙を書いて殿下に託した。内容は殿下が居る時にルーバが監視員を見つけ、殿下が顔を知っていたので身元が明らかになったが、神獣に見つかったのは監視員のせいではないので任務失敗で不利益な処罰はしないで欲しい旨を書いておいた。どこまで通じるか分からないけど無いよりはましかもしれない。そんな思いを込めて……

それにこれがメイン。ティアさんを近衛隊に戻してください!


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