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第四十八話 ご神木

公爵邸から馬車で二時間の所にその二本の木はあった。


広大に広がった草原はまるで手入れをされていたように緑色に輝く草が広がり、その中心部が少し小高い丘になっていて、その裾を縫うように小川も流れていた。二本の木が立っているのは丘の上。まるで草原の全体を見守るように立っていてとても良い場所だ。

アサロ様がここに離宮を建てたくなるのも無理はないと感じてしまう。


ルーバと一緒に傷つけられた木の傍までやって来た。


『間違いない。この木は神の依代だな』

「どうすれば良いんだ?」

『それはこの木に宿る神様に聞くしかないだろう』


神様との対話などやった事が無い。だけど、いま出来る事は木を修復することだ。出来る事からやってみよう。


俺は生まれた村で教えられた作法に則りこの木に宿る神様に敬意の礼を取った。


二本の木の前に座り、大地に両手をついて深く2度頭を下げる。そして2度柏手を打つ。そしてもう一度深く頭を下げる。それから両手を合わせ神に捧げる言葉を紡ぐ。


「この木に宿る御神様の益々のご開運をお祈り申します。この木に宿る御神様の益々のご開運をお祈り申します。この木に宿る御神様の益々のご開運をお祈り申します」


ここでもう一度深く長く頭を下げ、感謝の気持ちを込めながら願い事を言う。


「この木に宿る御神様にお願いを致します。これより神様が宿るこの木を綺麗にさせて頂きたいと思っております。どうかこの木に触れる事をお許しください。どうかお聞き届け下さいますよう、お願い申し上げます」


そして初めの動作を繰り返した。他にも方法が有るのだろうがこのやり方しか知らないからしょうがない。


微かに聞こえた葉音に許しを得られたと感じ、傷ついた木から手入れをすることにした。


傷口に手を当てると『再生機能開始』と声が聞こえた。


手を当てること数分。ありがとうと聞こえたきがして手を離す。木を見ると傷は綺麗に無くなっていた。

そして、樹勢が弱っているも知れないのでカバンに手を入れ創造を発動しながら肥料を作り木の周りに捲いた。


『そこなる人よ。重ね重ね感謝する』

「こちらこそ、あそこに控えし者が神様の依代と知らずに傷を付けました事を深くお詫び致します」

『詫びはよい。あの者は相応の罰を受けている最中じゃ。あと10日もすれば解けるだろう』

「ありがとうございます。罰が解けた折にはあの者にもちゃんと謝罪をさせたうえ、この木を守って行きますので今後もこの地に置いてご活躍下さいますようにお願いを申し上げます」

『わかった。その言葉を受け入れよう』

「ありがとうございます」


あとはこの地をどう守るかだ。


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