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第四十話 王妃様の目覚め

王妃様の清拭を終えた俺は妃殿下に布団だけを掛け陛下に疑問に浮かんだ事を話すことにした。


「国王陛下に大事なお話が有ります。良ければ王太子殿下にもお聞き頂きたいのですが……」

「ふむ。話を聞こう」

「では、防音結界を張りますね」


王太子が結界を張ってくれたことで安心して話すことが出来るようになった。


「まずは王妃様の肌を見てください」と足元の布団を少しだけめくる。

「今は綺麗な肌色になっていますが、先ほど確認頂いたくすんだ色の原因はフグリ草の毒かと思われます」

「なに! 毒だと!!」

「誰がこんなことを……」

「お話を進めても良いでしょうか?」

「すまん。続けてくれ」

「それで、このフグリ草のことはご存知でしょうか?」

「余は聞いた事がない」

「私は聞いた事があります。医療で手術をするときに患者を仮死状態にするのに用いるとか」

「そのような物が有るのか」

「はい」

「それでですね。フグリ草を使っているにしてもこんなに長期間の効果はありません。そこで考えられるのは定期的にこれを用いられている可能性が高いかと思われます」

「なんと!」

「ところで、店主殿はどうしてわかったのだ」

「はい殿下。実は、ここに居ます犬で……す」

「犬?」

『吾輩はシルバーウルフ』

「犬がしゃべった……」

『訳あってこ奴の元におるが、天界の住人だ。ここではルーバと名乗っておる』

「ルーバ殿ですね。よろしくお願いします」

『吾輩が知るところ生き物を仮死状態に出来のはフグリ草だけだ。しかも持続時間は長くは無い』

「と言うことなんです。それで清拭をしながら解毒をしておきましたからもう少ししたら目が覚めるかと思います」

「解毒とな? 余も見ておったがただ拭いておっただけではないか」

「はい。私はイメージしたように復元が出来る能力を神から授かりまして、それで……」

「そうであったか。回復でなく復元とは凄い能力じゃな」

「それよりも父…… 陛下。誰がこのような真似をしたのか究明する事が今は大事かと」

「そうじゃな」


『チョコラよ。この着物にフグリ草の匂いが付いておる』と想念を送って来た


「陛下。ルーバによるとこの寝間着にフグリ草の匂いが付いているそうです」

「宮廷医を呼べ」


しばらくして現れた宮廷医にフグリ草の使い方を問いただしたところ、食すだけでなく強い香りを嗅ぐ事でも同じ現象が起こることが分かった。それと共に医務室にもフグリ草が有るのかどうか、管理の仕方などが聞かれた。その中で疑問に感じたことがあったが、王妃様が目覚めたことに意識が行ってしまいその事を忘れてしまった。


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