第二百四十九話 旅の終わりは始まり
5つの集落を回り1週間ぶりにキャサル村に戻って来た。
新婚旅行と家族旅行?を兼ねていたにも関わず、大事な人たちを仕事ととは言え、結果的に1週間も放置してしまった。「これから私たちの為に時間を使ってもらうから良いですよ」とマリーサさんは言ってくれたけど、まだ本来の仕事が残っている。それはキャサル村の修繕だ。今回は3回目のリストを基に作業をすることになっている。ただ、集落の家とは違い緊急性が無い分、今日はみんなとの時間を楽しむつもりだ。
「俺の留守中は何してたの?」
「はい。みんなで農作業や狩りをしていました」
「それにお母さんから料理を教えてもらってたんだよ」
「そうなんだ」
「あとは、離宮の近くにある市場で買い物かな」
「えっ、市場ってそんなのあった?」
「去年から露店が増えてきて、今は市が立ってるのよ。ほら、鉱山開発が進んでるから」
そんなことから発展を続ける村をゆっくり回った。
翌日から3日掛けて村の家々をまわった。村では時折レーちゃんの羽は使ったが出来るだけ俺が作業した。こちらは修復と言うよりクリーニングで回復ができた。
今年の予定数を終え、気が付けば王都に戻る日になっていた。
今回は俺が実家を出てから最長の帰省となったが、みんな楽しんでもらえただろうか。
いよいよ王都に帰る日がやって来た。帰路はクラム達とは別れて俺たちだけで帰る。
まだヘラルド子爵の件でやることが残っているとかで離れなれないと説明の使者がやって来た。
別に俺に報告が必要なのか疑問に思ったが、単独で帰れることは喜ばしい事だった。
帰りの道中は何の事件も厄介事にも巻き込まれることなく進み、途中で温泉宿により行きではよれなかった所にも寄りながらやっと家族旅行らしい感じを楽しみながら王都に戻って来た。
明日からまたいつもの日常が始まる。
これを持ちまして完結とさせて頂きます。
今までお読みいただきありがとうございました。
少し休憩をして新作を予定していますので、その時はまたお付き合いを頂けますようにお願いを致します。
文末になりましたが、皆様の益々のご健勝とご活躍を願っております。




