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第二百四十四話 子爵の思惑?

陛下の入場が合図の様に宴が始まった。

乾杯のあと次々に陛下の元に貴族たち列をなしていた。


一通り挨拶を受けたクラムが俺に近づこうとしたときに再びヘラルド子爵に捕まったようだ。


「陛下、いかがですか。お楽しみ頂けていますでしょうか?」

「それなりに」

「今宵は陛下のための宴です。存分に楽しんで行ってください」

「いや、もうしばらくしたら先に失礼をするよ。私は旅の途中で体を休めたい」

「それはごもっとも。しかし、このように陛下の為に皆が集まっておりますので今しばらくは……」

「ところで貴殿の居城はこの地では無かったはずでは?」

「はい。この町は我が領地の中でも2番目に大きな町です。陛下がこのルートを通ってキャサル村に行かれると聞き及びましてこのように準備をして待っていた次第です」

「そうですか……」

「ところで陛下、キャサル村の事ですが……」

「何かありましたか?」

「いえ、そう言うことでは無く、出来ましたらもう一度私に管理をさせて頂けないでしょうか?」

「どうしてですか?」

「はい。村人からも望まれての事です。これを」


陛下に渡された書状には再度ヘラルド子爵に統治してほしい旨の事が書かれていた。


「これは村長からでは有りませんね」

「はい。村の人たちから直に届きました」

「わかりました。この書状を描いた者から話を聞き、それ次第では考慮致しましょう。この者に会えますか?」

「いえ、私も何度も直接話を聞こうとしたのですが未だ会えない状況でして……」

「そうですか。ではキャサル村に付いたらこちらで確認を致します。子爵は結果を待っていてください」

「承知いたしました」

「では、今宵はこれで」


会場に陛下の退室が響き渡り、俺も一緒に会場を後にした。


「何かあったのか?」

「ヘラルドがキャサル村を返せと言ってきた」

「なんで?」

「多分、鉱山の開発がひと段落したからだろう」

「鉱山って?」

「チョコラ殿は知らないのですね。新たな鉱山が見つかり整備が最近終わったのですが、村人の嘆願と言う形で領地を戻せと言っていました」

「それは絶対に無いですよ。子爵に戻ったらまた増税で泣くことになるのはみんな知ってるはず」

「私も子爵程度に嘗められては国王など務まりません。見て居なさい」


含み笑いを浮かべながら言う陛下……怖いよ。


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